活動データ
タイム
24:30
距離
25.8km
のぼり
3257m
くだり
3256m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る前々から縦走したいと思っていた奥穂〜西穂の縦走に行ってきた。一週間前に槍ヶ岳を中心に地震が起こったこともあり、今回も断念しようかと思ったが、入山前日の時点でSNS等で余震などの報告を聞かなくなったので、とりあえず入山することを決意。縦走初日の時点で地震が起こったら引き返すという判断の下、出発することにした。 [行程] (1日目) 上高地バスターミナル 〜 岳沢小屋 〜 前穂高岳 〜 奥穂高岳 〜 穂高岳山荘 ※乗合いタクシーで5:00過ぎに上高地バスターミナルに到着。 (2日目) 穂高岳山荘 〜 奥穂高岳 〜 ジャンダルム 〜 西穂高岳 〜 西穂山荘 (3日目) 西穂山荘 〜 焼岳小屋 〜 焼岳北峰 〜 焼岳小屋 〜 上高地バスターミナル [持ち物] ・水(2L) ・食料(3日分) ・非常食(1日分) ・ヘルメット ・ストック ・トレッキンググローブ ・テント一式 [登山道の状況] ●上高地〜岳沢〜穂高岳山荘● ・特に荒れている箇所は無かった。 ・地震の影響による落石が怖かったので重太郎新道から穂高岳山荘までヘルメットを着用した。 ・道迷い防止のため、岩等に記されたマーキングを見逃さないように注意。 ●奥穂高岳 〜 ジャンダルム 〜 西穂高岳● ・初めて歩いたため、以前との比較はできないが、特別崩落している箇所などは無かったと思う。 ・馬ノ背の下りについてはやはり高度感が迫力があった。事前に動画などで降り方を予習しており、また、落ちついて探せば足場となる箇所を見つけられたので、そこまで苦戦しなかった。個人的には、戸隠山の蟻の塔渡りの下りの方が怖かった。 ・馬ノ背以降も、ロバの耳付近の登り返しなど、足場が乏しい登りや下りが連続するので、体力が必要だと感じた。個人的に感じた難易度としては大キレット〜表妙義くらい。 ・間ノ岳の下りはかなりガレており、落石多発地帯となっている。しかも通過する時間帯的にこのあたりで逆方向から縦走してきた方とすれ違いになるので、すれ違う方とタイミングを合わせ、緊張しながら下った。 ・地震の影響というより、人為的に発生する落石が多かった。縦走中に3回ほど「ラーク!」という掛け声と激しく岩が転がり落ちる音を聞いた。縦走中はヘルメットは必須。 ・今回は奥穂からの下りルートで挑んだが、結局どちらから登っても難しい登りや下りがあると思うので、技術的にはどちらから登っても変わらないのではないかと思う。体力に余裕のある前半に難所を通過できる奥穂→西穂の縦走の方が個人的には向いていると思った。 ●西穂高岳 〜 西穂山荘● ・一般登山道になるので人が多かった。 ・特別崩落している箇所はなかったと思う。 ・西穂高岳山頂直下の下りはやや急だった。 ●西穂山荘 〜 焼岳小屋● ・荒れている箇所はなし。 ・ぬかるんでいる箇所がかなり多く、スリップしないように注意が必要。 ・トラバース箇所は急なアップダウンがあるので注意。 ・早朝に通過したが、道脇の笹が朝露で濡れており、ズボンがびしょびしょになった。 ●焼岳小屋 〜 焼岳● ・荒れている箇所はなし。 ・落石の恐れがあるのと、活火山ということもあるので、ヘルメット推奨。 ・ザレていて下山時に転びやすそうな箇所もあるので注意。 ●焼岳小屋 〜 上高地● ・荒れている箇所はなし。 ・長い梯子や鎖場などもあるので、意外と気が抜けない。 [その他] ○穂高岳山荘 ・テン泊1泊 2,000円(要予約) ・テン泊者は水・トイレは無料。 ○西穂山荘 ・テン泊1泊 2000円(要予約) ・テン泊者はトイレは無料、水は500mLあたり100円。 ・西穂ラーメンは14:00まで受付。 ・16:00以降にアルコール類を提供。 [感想] 昨年はコロナの影響もあり長期の縦走は全て断念していた。今年はようやくワクチンを打ち終え、今度こそはと意気込んでいたが、そこで直前の地震ニュース。今回も断念しようかと思ったが、SNSなどで情報収集している限りでは、入山前日時点で地震はかなり収まった印象だったので、撤退覚悟で決行することにした。核心部通過中に地震が起こらないことを祈った。 さわんど駐車場に4:30頃到着。そこから乗合いタクシーで5:00過ぎには上高地に到着(片道4,600円÷4人)。3年ぶりに重太郎新道を通過したが、やはりかなり急登続きだった。2泊3日のテン泊装備だと尚更キツい。重太郎新道を登り切る頃には稜線上はすっかりガスってしまった。今回のメインは2日目のジャンなので、ここで展望が望めないのはまあ良しとする。また、雲頂高度は高くないため、少なくとも夕方までは雨に降られることはないだろうと思われた。前穂〜奥穂の吊り尾根通過中は強風に見舞われて寒かった。展望もなく、なかなか厳しいコンディションだったが、奥穂付近で幸運にも一羽の雷鳥に出会えたのが唯一の癒しだった。穂高岳山荘のテン場は風が弱かったので、特に苦労なく幕営することができた。幸運にも地震が起こることはなかったので、翌日は予定通り核心の稜線を歩くことを決意。この日は15:00頃にはテントの中で横になり、翌日に備えて体を休めた。 この縦走の核心となる2日目は5:00頃にヘッドライト装備で穂高岳山荘を後にした。奥穂までの道は早朝は岩の表面に霜が付いていて、滑りやすくなっていた。奥穂高岳山頂に着く頃にちょうどご来光を迎えた。ジャンダルムのモルゲンロートが神々しかった。準備を整え、縦走を開始した。馬ノ背の下りは動画等で予習していたこともあり、そこまでビビらずに通過することができた。馬ノ背から少し先に進むとジャンダルムの迫力のある姿が現れる。ロバの耳のトラバースの岩場のアップダウンも足場が乏しく苦労した。ジャンダルムは奥穂から直登せずに西穂側に巻いてから登った。テントをデポる場所が無かったので、そのまま背負ったまま登った。山頂では例の天使の標識がお出迎えしてくれた。この日は天候に恵まれ、山頂からは素晴らしい展望を堪能することができた。しばし写真撮影などに勤しんだ後は、まだまだ先の長い縦走の続きを再開した。ジャンを越えた後も急峻なアップダウンが連続する。雰囲気としては大キレットを長くしたようなイメージ。天狗の頭まで差し掛かれば、難路のだいたい半分以上は越えたことになるので少し安心。後半の核心部は間ノ岳のガレ場だ。特に西穂側の下りはガレまくっているのと、時間帯的にちょうど西穂側から縦走してきた人々とすれ違いになるので、落石を落とさないように緊張が走る。間ノ岳を越え、西穂高岳まで登れば、その先は西穂直下の下りが少し急なくらいで、岩場の難易度はぐんと下がる。西穂高岳に登頂する頃には残念ながらガスってしまったが、稜線通過中は迫力ある景色を堪能できたので、大満足だった(何よりも生きて通過できたことが一番の喜び)。直前に地震が起こったせいか、核心の稜線ですれ違った人も少なかった(ように思う)のも、幸運だったと思う。この日は昼過ぎには西穂山荘に到着した。時間的には、そのまま上高地に下りて帰ることもできたが、翌日も午前中は天気が良さそうなので、焼岳まで縦走することにした。 縦走最終日。この日は午後は雨予報なので、余裕を持って4:00に西穂山荘を出発。ぬかるんだ道を滑らないように気をつけながら歩き、焼岳小屋に6:00過ぎに到着。焼岳小屋の方のご厚意で、本来なら売店は7:00開店のところ、6:00過ぎにジュースを販売してもらった。焼岳小屋に荷物をデポし、焼岳を目指す。この日は天気も良く、中ノ湯側から登ってきている人も多かった。焼岳山頂からは、今回の縦走路を一望することができて良かった。焼岳小屋から下山中は続々と登ってきている人達とすれ違った。上高地到着後は、バスターミナルに荷物をデポし、上高地食堂で昼食をとった。3日ぶりのまともな食事は本当に美味しかった。以前4泊5日の縦走した時も上高地食堂にはお世話になった。上高地バスターミナルからさわんどバスターミナルまではバスで帰還(片道1,300円)。 今年も断念かと思った奥穂〜西穂の縦走を今回ようやく無事達成することができて本当に良かった。稜線上の景色は想像以上に迫力があり、圧巻だった。
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