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餓鬼岳ハードボイルドの写真

2021.09.23(木) 06:42

燕山荘から

この写真を含む活動日記

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36

18:30

18.4 km

2601 m

餓鬼岳ハードボイルド

燕岳・餓鬼岳・唐沢岳 (長野, 岐阜, 富山)

2021.09.21(火) 3 DAYS

妖怪が棲む山、餓鬼岳。 北アルプスの一般登山道ルートの中で 屈指の難易度だと思う。 ハードボイルドな山行の報告である。 餓鬼岳の名前の由来は、主に二つあるそうだ。 ガキ(子供)と崖(ガケが訛った)。 だが、妖怪が出るという噂がどこから来たのか、 今のところ、不明。名前に由来するのかどうかも わからずじまい。 <登山口→餓鬼岳> 登山口はJR信濃常盤駅からタクシーで20分ほど。 JR信濃常盤駅には「餓鬼岳登山口』と大きな標識(標柱)がある。 車を降りるとしばらく林道を歩く。 すぐに登山口の看板があり、道は白沢へ。 白沢とは、おそらく花崗岩が風化した大粒の砂礫が 沢に多く見られるからかもしれない。 登山道は標高1040mあたりから沢沿いに 主に右岸側(クライマーズレフト)を高巻く様に続いている。 川底まで数十メートル高さのトラバースが続く。 腐りかけた木製の梯子や桟道、道幅50cmほどのザレバのトラバース、 枝沢の渡渉、最後は魚留めの滝の大高巻と、 危険箇所だらけ。 ある意味、整備が行き届いた穂高や剱岳のルートよりも 危うい不安定な箇所が多く、 一歩でも間違えば大事故に直結する。 ここを歩いた登山者のブログでは、 「アトラアクション感満載」などの表記が見受けられるが、 そんな生やさしいものではない。 それでも、地元の方なのか、 ノーヘルメット、ダブルストック、短パンの軽装で、 同じ時刻に登山口を歩き始めたのに、標高2200mあたりで、 山頂から戻ってくるのに出会った時は、 正直驚いた。 白沢登山口から餓鬼小屋までの標高差は1600m、 山と高原地図ではコースタイム8時間である。 結局、我々はコースタイム通りの時間で小屋に着いたが、 一体あの人はどんだけの速さで、この難コースを登り降りしたのだろうか、 と今でも不思議に思う。 (それともこの山に棲むという餓鬼妖怪の化身だったか。冗談) 標高2300m「百曲」入り口まで来て、紅葉も綺麗だし、危険箇所も少なくなり、 やっと安堵して歩くことができた。 <餓鬼岳小屋> 餓鬼岳小屋は昔ながらの山小屋で、大広間ひとつで食事時はテーブルが、その後片付けて布団が敷かれる。この日は合計5名でゆったりだった。トイレは外トイレ。小屋番さんは2人。 夕食はちらし寿司とお吸い物。美味しかった。 小屋から餓鬼岳山頂は5分。 小屋近くのベンチでも眺めはいいが、山頂に上がると北方の眺望が素晴らしい。 <餓鬼岳小屋→燕山荘> コースタイムは7時間余り。 翌朝、天気は下り坂で、小屋から剣ズリまでは晴れていたがその後は小雨。 剣ズリまでは花崗岩の稜線を行く。 途中、ハシゴがあったり、切れ落ちた岩場があったり。 アップダウンも多く、ルートを外れる踏み跡もところどころにある。 東沢岳まで山と高原のコースタイムは2時間30分のだったが、 3時間半かかって到着。 東沢乗越からの登り返しはコースタイム2時間のところを1時間30分だった。 登り返しの出だしは、登山道が笹で覆われていて藪こぎ。 核心部は北燕のピークを東側に巻く箇所。 踏み跡も多く、ザレた下り気味のトラバースなど、 神経を使う。なかなか侮れない。 <ポイント> 白沢に沿った登山道は危険箇所が多く、 枝沢の渡渉もあり、 悪天候時には細心の注意が必要。 下では使いたくないルートだ。 餓鬼岳〜燕山荘は、アップダウンが多く、 ルートファインディングをミスると致命的な箇所が多い。 メンバーの力量、天候によっては、コースタイムより時間がかかる。