活動データ
タイム
30:32
距離
35.5km
のぼり
3355m
くだり
3355m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る3日間快晴。山神様ありがとうございました。 初めての飯豊。このコースを一周したいと計画していた。 青空の下、のんびり、じっくり味わって来ました。 ボクのように、登山キャリアは浅いけど、そろそろ飯豊にチャレンジしたい方のためのレポートです。 まずはコースの説明から。 ◼️ダイグラ尾根 林道歩きから登山道に入り、吊り橋手前で1ヶ所ロープがある。落ちれば沢にドボンなので要注意。 吊り橋を渡ると急登の始まり。 ここから先、急でも危険でも、一切ロープは無し。 ただ、最初の急登は急なだけで足場はしっかりしているので、とにかく淡々とマイペースで登ることができる。 途中の長坂清水は出てる。 標高を一気に800m上げると休場の峰。 ここで眺望が開けて、朝日連峰が目の前に横たわる。 この後は下りて登っての繰り返し。 千本峰からの下りがかなり急で、途中にちょっとした岩場もあるので、ここだけでもポールは畳んだ方が良いかも。 ピークから下って、次の登りまでのピークとピークの繋ぎに切れ落ちた危険箇所が多いので要注意。 宝珠山の手前に、ちょっと間違えやすい場所がある。上の岩場に進みそうになるけど、道は左に下りていく。 引き返してみると、なぜ間違えたんだろうと思うけど、上に向かって歩いているのと、地形的にここで下りになるとは思わなかったからかも。 そしてようやく宝珠山。山頂は通らず肩を通る。しかし上に登る藪気味の道はある。 登った人によると、かなり眺めが良いようなので、余裕があれば登った方が良いかも。 宝珠山を過ぎるといよいよ地図に書かれた「岩稜」。 確かに岩場の尾根なんだけど、しっかり道があって、むしろ今までの切れ落ちたトラバースより歩きやすい。 岩稜が終わって少し下ると、いよいよあとは登りだけ。標高差210mくらい。 植物はさらに背が低くなり、大岩が転がるザレ場に。 ところどころに間違えやすい場所があるので要注意。 あれ?道がないと思ったら、とりあえず戻った方が良い。 飯豊山頂を目指してゆっくり登っていくと、右手に大日岳への稜線が見えてくる。 そして登頂。 振り返ると、荒々しい姿のダイグラ尾根を感慨深く眺めることができるはず。 ■本山小屋とテン場 この日の本山小屋は満員。 通路にまで人があふれる状況で、神社の方にも泊まった人がいたようだ。 ボクはテン場にツエルトを張った。 小屋泊2000円、テント一張1000円。トイレ使用は100円。 水場はテン場から2〜3分下ったところ。 眺めは素晴らしい。 北は鳥海山から南は尾瀬の方まで見渡せる。 目の前には喜多方の町と猪苗代湖に磐梯山。 ■飯豊山〜大日岳 天国のような散歩道。 少しずつ近づく大日岳と、離れていく飯豊山。 雪が残る斜面に草紅葉。花の季節も素晴らしいはず。 まずはちょっと登って駒形山。 ここは360度の動画撮影にオススメ。 さらに進むと御西岳の脇を通る。山頂は踏まない。 そして御西小屋。 水場は7〜8分下ったところ。 大日岳にピストンするなら、重い荷物はここにデポ。 水と行動食だけ持って出発。 一旦下って、文平ノ池の脇から少しずつ登っていく。 このあたりが長く感じる。 そして急登が待ち構えるが、標高差150mくらいなので、淡々と登れば嫌になる前に着く感じ。 山頂表示は一番高いところの向こうにある。 山頂からはオンベマツ尾根のコースが見えるが、これもまた凶悪な表情を見せている。 廃道になった西大日岳への道はまだうっすら残っていて歩けそう。 この日も目の前でそちらに進む人がいた。 ただ、西大日岳あたりは熊の遊び場になっているそうなので要注意。 大日岳からは新潟の山や、新発田市の街、日本海を挟んで向こうに聳える佐渡島が見える。 もちろん、今まで見えていた福島や栃木の山々も見える。 山頂表示から戻って、登山道からちょっと外れた頂上らしき場所からは飯豊山への縦走路が見下ろせる。 大日岳に登ったら、ここにも寄った方が良い。 ■御西小屋〜梅花皮小屋 ここからは今までの人の多さが嘘のように、歩く人が少なくなる。 いつもの東北の山の静けさが帰ってくる。 まずは尖った烏帽子岳を目指す。 道は全く問題なく歩きやすく整備されている。 遠ざかる大日岳。 右手には昨日登ったダイグラ尾根と飯豊山。 やがて天狗の庭の保全施工地が見えてくる。 まだテン場や避難小屋が整備されていない頃にテン場として使われ、すっかり草がハゲてしまった場所。 さらに進むと小さな御手洗ノ池。 その手前で道が2段に分かれている。 ちょっと悩んだけど下の道に進む。 上に進んでも合流するのかと思ったけど合流点が見つけられず。 1850m地点の亮平ノ池から烏帽子岳への登り。 ザレた道だけど、小さくクネクネとつづら折りになっているので見た目より大変ではない。 烏帽子岳に登ると、次の梅花皮岳、北股岳への稜線が見えてくる。 これもまた素晴らしい眺め。 次の梅花皮岳は大した登りもなく到着。 すぐ下に梅花皮小屋。そして石転ビ沢を見下ろす。 ■梅花皮小屋 収容人数は30人くらいか。 小屋泊2000円、テント一張1000円。トイレ使用は100円なのは本山小屋と同じ。 小屋の中の水洗トイレは綺麗で快適。 水場はすぐ近く。徒歩1分程度。 この日は15人くらいが宿泊。 ■梅花皮小屋から地神山 朝5時に出発して、北股岳でご来光を待った。 蔵王連峰、朝日連峰、その向こうの月山、鳥海山が浮かび上がってくる。 この三日間でずっと見えていた山々。 日本海や新発田市街がより近く見えるようになった。 北股岳の次は門内岳。頂上の赤い祠にお参り。 門内岳を下るとすぐに門内小屋。 前日の宿泊は2人だけだったそうだ。 ここも協力金は他の小屋と同じ。 水場は徒歩5分と書いてあった。 門内小屋からは奥に朳差岳が顔を出している。 そこへ向かう稜線が登山者を誘うように伸びる。 まずは胎内山。梶川尾根を眺めるようにして歩いていく。 次の扇ノ地紙が梶川尾根分岐。 今度は丸森尾根が見えてくる。 地神山へはちょっと急な登りがあるが苦になるほどではない。 この周辺の紅葉が素晴らしい。 そして地神山に登ると朳差岳への稜線が見えてくる。 これが素晴らしい。 緩やかな頼母木山の向こうに頼母木小屋、そして右にカーブして朳差岳。 その手前の小屋もよく見える。 この風景が次に行くべき場所を教えてくれた。 しかし次の地神山北峰から丸森尾根で下りなければならない。 ■丸森尾根 御西小屋で小屋番さんたちが勧めていたのは梶川尾根。 草紅葉も綺麗だし、滝も見られる。 丸森尾根は危険な場所もあるし歩きづらいとのことだった。 分岐からしばらくは急なガレ場で歩きづらい。 次第に岩が小さくなりザレ場という感じになると洗堀されて高い段差も出てくる。 それが終わると今度は細かい砂利の洗堀道。 急な下りが終わるとほんの少しだけ登って丸森峰。 ここからは森の中のアスレチック道。 トレッキングポールは畳んで、軍手なり何かしらグローブを付けた方が良い。 足場の悪い土の道。 洗堀され、木の根があらわになっている場所が多い。 足場も定まっているわけではない。 木の枝や笹を掴んでロープがわりに降りていく。 そういう場所が何度も何度も現れる。 身軽な若者ならここで時間を縮められるかもしれないが、ボクの世代以上には厳しい。 そしてこの区間が長い。 半分を過ぎたあたりで夫婦清水。水は出ているが小さな沢水だ。 さらにアスレチック道は続く。 この辺りは松の木が多い。 やがて傾斜が緩くなり765のピーク。ここからは岩稜になる。 段差のある岩を足場に下っていく。 途中に一ヶ所後ろ向きになってクライムダウンしなければならない場所がある。 松の枯れ木を頼りに下りればそう問題ないが、ここがやはり最大の危険箇所だった。 ここを過ぎれば、相変わらず急ではあるものの、もう心配するような場所もない。 駐車場を真上から見下ろすような角度で登山口に下りて、長い旅が終了。 ■というわけで これ以上ないコンディションで楽しむことができました。 見慣れた蔵王連峰からの奥羽山脈、朝日連峰に月山、鳥海山。 行ったことがない福島の名峰たち。 尾瀬方面の栃木の山々から新潟のぜんぜん知らない山々。 そして日本海と新潟県の沿岸部の街。 思った以上に大きくて高くて驚いた佐渡島。 そして歩く場所で眺めが次第に変わっていく飯豊連峰は周回だから楽しめた。 朝まだ暗いうちに出発したのは、あわよくば御西小屋まで行っちゃおうと思ったから。 同じような時間に出発した人たちの多くが御西小屋を目指していたので、ボクも行けると思った。序盤はね。 休場ノ峰までの急登を登り切った時にも行けると思っていた。 しかしあまりに素晴らしい眺め。 左手には朝日連峰と蔵王、吾妻連峰も見えてくる。 右手は飯豊の北西の尾根。トンがった烏帽子岳や有名な石転ビ沢。 初めての飯豊で時間を気にして頑張る必要ないんじゃないか? という気持ちが半分。 疲れたよー、もうゆっくり行こうよ〜 という気持ちが半分で、当初の予定通り本山小屋泊にした。 暗くなる前に着けば良いと考えると楽。 たっぷり写真を撮りながら、楽しみながら、コースを確認しながら味わって歩くことができた。 ダイグラ尾根は難易度の高い上級コースとして有名だけど、実際に歩いてみた感じとして技術が必要なわけではないと思う。 確かに危険な場所はあるけど、岩場をへつらなければならないわけではないし、岩の上を平均台のようにして進まなければならない場所もない。 ただ、距離に対して一気に上がる標高。そしてその後に続く登り降り。 体力と精神力が試されるコースということだと思う。 時間をかけて歩けば問題ない。 ちなみに、ボクは登頂まで12時間以上。そのうち休憩時間が3時間以上。 休憩時間を除けばほぼコースタイム。 おそらく、この日一番早く出て、一番遅く到着したと思う。とにかく抜かれまくった。 それでものんびり楽しんで踏破することができる。 12時間歩ける体力があるなら、チャレンジしてみて欲しい。 ただ、雨の日やその恐れがあるときはお勧めしません。 本山の神社のお参りは8時から16時までとのことで終わっていた。 ここにお参りする時間も考えて御西小屋を諦めたのもあったので残念。 本山小屋はとにかく混んでいた。そりゃ連休でこの天気では仕方ない。 いつもツエルトを持ち歩いているので、入れなかったらテン場だなと思っていたので問題なし。 しかし入れなくて困り、1人用のテントで3人で寝たという人もいたようだ。 夜は9月だというのにもう寒かった。ダウンジャケットを持ってくるべきだった。 シュラフが夏用のダウンでコンフォート12度なので、シュラフカバーを被せた。 さらに上下にカッパを着て、靴下は二枚重ね、そして登山用品店マスター伝授のザックに足を突っ込む作戦で寒さからしのげた。 やっぱり御西小屋までいくべきだったかなーと思ったけど、翌朝のご来光と、そのあとの朝の稜線歩きを考えると正解だった。 飯豊山から御西小屋までの稜線を、時間に追われるようにして歩くのは勿体なかった。 大日岳からの眺めも最高で、さらに西大日岳が綺麗な佇む姿が良い。 そのうちあそこまで登ってみたい。どういうコースで登るか考えてしまう。 そして御西小屋から北西の稜線歩き。 これが最高です。 人も少ないのでじっくりと飯豊を味わうことができるのは、やはりこちらの稜線なんじゃないのかな? 考えてみると、この稜線や梅花皮小屋で会った人数は、ダイグラ尾根で会った人数より少ないかも。 確かに飯豊山に登ってこちらに来ようとすると、ボクのように周回するか、縦走するかになってしまう。 普通の人なら2泊は必要だし、縦走なら登山口までの交通やそのための金がかかる。 でもねー、やっぱりこっちの尾根は良いですよ。そこまでする価値はあります。 ダイグラ尾根が前述の通りなので、ボクはこの周回をお勧めしますね。 最高峰の大日岳にも登れる。 そして丸森尾根に入る前の地神山から見えた朳差岳への稜線。 次の目的地はあそこですね。 この界隈ばかり歩いている人の気持ちが良くわかった。 この日も登山用品店のマスターの友達というベテランに会った。 その人は朳差小屋泊で丸森尾根のピストン。 帰りに地神山まで足を伸ばしたそう。 他にも地神山北峰近くで会ったベテラン2人は、朳差小屋泊で2日目に烏帽子岳方面に行けるところまで行って戻ってもう一泊。そして下山とのこと。そういう楽しみ方も良いなぁ。 とにかく飯豊連峰を満喫できたと思う。 飯豊の良さは本山だけ登ったのでは分からないと言われるけど、それも良くわかった。 同じようなコースを歩き、何度も顔を合わせた人たちとも喜びを共有できた。 これも人が多い本山だけ登ったのではできなかった事かもしれないな。 とにかく充実した三日間でした。
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