活動データ
タイム
16:32
距離
17.9km
のぼり
2178m
くだり
2178m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る午前零時頃、安曇野市街を走っていた。 牛角、ガスト、かつや・・・ 店の明かりがポツポツと灯っている。 長野県では、こんな時間でも飲食店が営業しているのか。 一昔前は、全国これが当たり前だった。 今思えば、その頃にもっと食べ歩きをしておけば良かった。 そうは思っても、街中に人通りはほとんどない。 むしろごった返しているのは、山の中の方だ。 三股登山口の第一駐車場は、すでに満杯。 第二駐車場に停めて仮眠を取る。 夜通し、停める宛ての無い車が上へ下へと往来していた。 翌午前4時半、車道には登山者が溢れていた。 「いくらなんでもこの時間から人多すぎない?」 そう思いつつ、自分もその列に加わる。 爆込みのトイレ待ちで無事30分タイムロスし、いよいよ登山開始。 このルートでは蝶ヶ岳廻りと常念岳廻りがチョイス出来るが、常念岳廻りがオススメだ。 理由は、恐ろしいまでの急登を存分に味わうことが出来るからだ。 特に前常念岳の登りは驚異的だ。 異常なほど足場の悪いゴーロ道が続くため、コースタイム以上に時間がかかること間違いなし。 「ここのコースタイム見直したほうがいいぞ!」 と叫びながらひたすら登る。 遂にたどり着いた常念岳の山頂からは、燕岳から穂高までの大パノラマを望むことができた。 本日の目的地、蝶ヶ岳ヒュッテはまだ遥か遠い。 ここからは激しいアップダウンを繰り返し、蝶ヶ岳のシンボル、蝶槍へ向かう。 実は常念岳と蝶ヶ岳には共通点がある。 それは、山名が雪渓に浮かび上がるシルエットに由来することだ。 春先、常念岳の残雪が常念坊という僧の形をなすことは有名なエピソードだが、蝶ヶ岳も残雪が蝶の形を描くという。 決して珍しい蝶がたくさんいるから蝶ヶ岳というわけではないのだ。 しかし、蝶ヶ岳への稜線は、登山者がそう間違えるのも無理はないほど豊かな自然に富んでいる。 樹林帯や岩場が頻繁に切り替わり、池塘も点在している。 池塘では名物のクロサンショウウオが泳いでる様子を観察できた。 蝶槍までの登り返しは約200m。 厳しいが、蝶槍の山頂から見る槍ヶ岳は格別だ。 ここを超えると、あとはヒュッテまで緩やかな道が続く。 蝶ヶ岳ヒュッテに到着した頃には夕陽が沈みかけており、多くの人が写真撮影に勤しんでいた。 ヒュッテは非常によく整備されていて、寝室も1人か2人ごとに仕切られているので感染の心配もない。 コカコーラをガブ飲みしながら景色を眺める。 蝶ヶ岳は「穂高の展望台」と言われるだけあり、素晴らしい眺めだ。 これだけの眺望を4時間弱の登りで見ることができるのは、蝶ヶ岳くらいだろう。 非常にお買得な山であり、この親しみやすさがこの山の魅力の一つだ。 その後、部屋で寛いでいると、突然巨大な地震が発生。 その後も何度も何度も余震が来た。 幸いこのルート上には何もなかったが、槍ヶ岳では一部の稜線に崩落があり、遭難者もいたようだ。 翌日、必死の思い出担いできたガスバーナーを使ってカップラーメンを作る。 今日のカップ麺は、長野の往年の名店「ホームラン軒」だ。 早朝の高山の風に吹かれながら食べるピリ辛味噌味のホームラン軒の一杯は最高だ。 結局、山でつくるどんな料理よりもカップ麺の方がうまいのである。 のんびりと朝を過ごし、あとは蝶ヶ岳を下るだけだ。 麓に近づくにつれ、常念岳や蝶ヶ岳から流れる支流が集まった蝶沢の勢いが増していく。 吊り橋渡りでは、激流の蝶沢を望むことができ、旅の疲れが洗い流されていくようだった。 最後は山小屋で割引券をもらった「ほりでー湯」に浸かりながら、常念岳を眺める。 この温泉は最高だ。 山の恵みに感謝しながら、出発する。 そして、三連休で激混みの中央道渋滞に巻き込まれていくのであった。
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