活動データ
タイム
05:04
距離
9.0km
のぼり
529m
くだり
528m
活動詳細
すべて見る近江の地名は琵琶湖が関係している。 琵琶湖は、古くは都から近い淡水の海で、「近淡海(ちかつあわうみ)」、「淡海(おうみ)」と呼ばれていた。即ち、淡海の有る場所が近江と言う地名になった。🥸 余談だが、近江の地名が確立するころの当時は淡水の海がもう一つ有った。都から遠い淡海で「遠淡海(とおつおうみ)」、つまり遠江(とおとうみ)である。遠州浜松の浜名湖は、現在では淡水と海水の交わる汽水湖(きすいこ)であるが、15世紀までは淡水湖であった。1498年(明応7年)の大地震で、海と湖の隔たりが崩落し決壊した。そうして海水が流入し、現在のような汽水湖となったそうだ。🤔 話を琵琶湖に戻すが、琵琶湖という名は、測量の技術向上により江戸時代中期に作成された地図を観て、その形が楽器の琵琶に似ているということから「琵琶湖」と呼ばれ出したとするのが一般的だ。 しかし、それよりも前にこの大きな湖は、アイヌ民族から「pipa to(ピパトー)」と呼ばれていた時代が有ったそうだ。シジミ貝のことをアイヌ語で「ピパ」といい、湖などの水たまりを「トー」と言う。「シジミの取れる湖」であるアイヌ語の「ピパトー」が、琵琶湖の語源ではないかと言う説である(「日本地名学を学ぶ人のために」世界思想社)。🙄 アイヌ語が語源となった地名は、浅間(アッサマー/火を噴く山)や黒部(クルベツ/魔の川)など本州の至る所にあり、ピパトーが琵琶湖の語源であったとしても不思議は無い。🏞️ 本日は近江の語源とアイヌとの関連の可能性もある日本一の琵琶湖の南、近江八幡市の北西にある長命寺山(333m)を目指した。🍐 長命寺山(ちょうめいじさん)には山名に由来する長命寺(ちょうめいじ)があり、標高約250mの山腹にある寺院は3世紀後半から4世紀初頭の景行天皇(ヤマトタケルのパパ)の時代、武内宿禰(たけのうちすくね)がこの山で長寿を祈ったといい、開基(開山)は厩戸皇子(聖徳太子)と伝えられている。🧐 因みに武内宿禰は景行・成務・仲哀・応神・仁徳の5代(第12代から第16代)の各天皇に仕えたという伝説上の臣下で、紀(き)氏・巨勢(こせ)氏・平群(へぐり)氏・葛城(かつらぎ)氏・蘇我(そが)氏など、その後の時代に影響する豪族の祖であることから、長寿と子宝と出世のご利益も期待できる。 🙏 滋賀県は平均寿命では常に上位のランキングを占める。今回訪れた長命寺は湖岸から境内まで伸びる石段が808段と言われる長いみちのりは、健康な大人でも15~20分ぐらい掛り、ここを毎日の参拝のルーティーンにするご老人がいらっしゃるとすれば、平均寿命も健康寿命も期待できる(残念ながら滋賀県の健康寿命のランキングは下位です)。また、長命寺の隣にある北津田町は「郁子(むべ)の里」と言われ、長寿にまつわる逸話が実に面白い。本日は近江由来の琵琶湖のほとりで、長命・長寿がキーワードの歴史探訪の山行とした。🥝
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