称名から大日三山を経て別山へ

2021.09.04(土) 2 DAYS

活動データ

タイム

15:50

距離

19.0km

のぼり

2714m

くだり

1253m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
7 時間 22
休憩時間
2 時間 32
距離
7.7 km
のぼり / くだり
1585 / 129 m
11
1 46
2
6
8
DAY 2
合計時間
8 時間 27
休憩時間
2 時間 5
距離
11.2 km
のぼり / くだり
1125 / 1124 m
1 29
1 4
1 11
25
14
1 1

活動詳細

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会社の同期と小屋泊縦走登山へ行ってきた。 1日目の都合がつかなく、遠くの山へは行けないので、近場ながら未踏の大日岳から別山を目指すこととした。存在感のある剣岳やビギナーにも人気の雄山に挟まれた格好の大日岳は、登山者が少なく、静かな山歩きが楽しめる印象があったが、実際その通りで、ほとんどの時間を他の登山者に囲まれることなく絶景を堪能できた。 登山口は称名滝手前から左手に入る。しばらくは、なだらかな樹林帯の道が続く。よく手入れされており、歩きやすい。この日は、湿度がとても高く汗が止まらない。久しぶりの登山スタイルで、重い荷物がまた暑さに拍車をかけている様であった。1時間ほどで、大日平の取り付きに至る。沢の左岸側を歩いていくとやがて平坦な大日平の木道へと出る。天気はまずまずで、弥陀ヶ原とその中を蛇行して進むアルペンルートを望むスケールの大きさに感動した。大日平小屋に到着。補給をしていると、雨が本降りに。予報では、前線の影響で弱い雨が降る恐れか、念の為積乱雲に注意とあったため、降り方から積乱雲と予想。やがて雷鳴が鳴り出す。進むのがためらわれたが、ここから小屋まで2時間弱であることと、樹林帯の中を歩くことを総合的に判断し進むことに。足元は、ぬかるんだ湿原の様な土から、岩の登山道へと変化。同行者は不慣れのため、慎重な行動を意識して進む。やがて雨は一度小康状態になったが、再び本降りの雨となり雷鳴も凄みを増す。同行者は辛そうな顔をしていたが無理もない。景色も見えない中、2時間近く雷雨に打たれて疲労も倍増していたことであろう。ようやく、雨雲も薄くなり始めたところで小屋の前へでる。ひとまず、荷物を整理し体を温めることに。 大日小屋は、ランプの宿として有名で夕食時には暖かなランプの光の下で美味しいご飯をいただいた。ありがたい。厨房の方を覗くと、窓が夕日に照らされている。まさかと思い、玄関から外を覗くと夕日が差し込み始めており、やがて剣岳の前に大きな虹が現れた。苦難の後に訪れた信じがたい絶景を前にし、心が弾んだ。翌日に延期する予定であった大日岳登頂を急遽変更し、出発。空と空気の色は刻一刻と色を変えてゆく。弥陀ヶ原は金色に輝き、一面に広がった雲海の上に浮かぶ。15分ほどで大日岳山頂に到着。まさに夕日が沈んでゆく瞬間であった。刻一刻と、空の色は赤く、濃く、凄みを増していく。滅多に見られない絶景を前にして、胸がいっぱいになった。本当に登って良かったと思った瞬間だった。天気予報を見て行くか行かないかを判断することは、安全登山のためにとても大切なことだと思う。一方で、「時間」ごとに区切られた「マーク」のみで判断するのはもったいないと最近よく思う。自然相手の不確定なものに対して、その隙間を予想することができるのは、「その瞬間」、「その場」にいる登山者のみなのであると再認識した。 やがて小屋へ戻り、就寝。夜中目覚めると満点の星空。これも予報外のことである。しばらくの間、星空と雲海に浮かぶ山々に見入っていた。 2日目。快晴とは言わずも、ガスもかからず良い天気であった。奥大日方面へ進む。特にキツイところはなく、ゆったりと伸びる稜線歩きを満喫した。やがて剣岳の上から日が昇った様だ。残念ながら、暈がかかっていて日の出の瞬間は見られなかったが、かえって幻想的に思えた。湿り気のある冷えた空気が秋らしい。ところどころで草紅葉も始まっている。そんなのどかな道をのんびりペースで進む。 奥大日岳へ到着。ここでガスがかかる。展望がなくなったが、室堂へ進む。別山との分岐点でガスが完全にとれて立山、劔、薬師などの名峰が青空の下に高々と聳える。劔御前小屋方面へと急ぐ。小屋で休憩し、別山まで最後の登り。別山の頂上へ程なくして到着。今回の最高地点である。到着したタイミングで剣岳の前のガスが晴れて、威厳ある姿を目にすることができた。1年前は頂上付近が最後までよく見えなかったので嬉しい。そこから帰路へつく。 日帰りでスピードハイクにのめり込んでいた夏だったが、のんびり小屋泊もとても魅力的で楽しかった。何より、周りの景色をゆっくり眺められるゆとりが嬉しい。平日は余裕なく、せっかちにならざるを得ない自分をリセットできるいい機会だった。スピードハイクは続けるけれど、ゆっくりとした山歩きの醍醐味を再発見した山旅であった。 大日岳、ありがとう!!

メンバー

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