活動データ
タイム
17:33
距離
37.8km
のぼり
2580m
くだり
2581m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る久しぶりの上高地はコロナで賑わいもまばら。それでも山に登りたい人はいて、自分もその一人。 2泊3日の山旅、初日は横尾を経由して涸沢まで行き、幕営して翌日に備える。 快晴。さすが国内有数の避暑地、風も爽やかで8月の青空が眩しい。 ザックは約15kg、重さとスピードはトレードオフ、これ以上重いと行動に制約が出そうで、自分にはこの辺りが一つの目安だろう。テント泊は1年ぶり。ツェルト泊とか避難小屋泊はあったものの、そんなにやってなかったか。 スニーカーの観光客に交じっての梓川沿いの遊歩道歩きは、最初はいいのだがだんだん飽きてくる。 横尾の吊橋を渡ると斜度が徐々に上がり、山っぽくなってくる。ヒュッテの大きな吹き流しが遠くに見え始めた。もう少し。着いたらビール飲んでのんびりしよう。 2日目。 まずまずの予報のはずが、山頂付近は霧で覆われている。 この日は北穂高南陵から北穂高と奥穂高を縦走し、時間次第でジャンダルム、行けなければザイテングラート経由でテント場へというプラン。 山頂は霧中だが、幸いにもテント場ではモルゲンロートが見られた。雲の隙間から帯状に差し込む陽光は燃えるようなオレンジ色。夕焼けみたいな色で感動的にきれい。見ながら朝食を済ませ、出発。 ところが、出鼻でルートロストという失態。間違って直登して危険なルートを選択してしまった。 滝を高巻いて何とか一般ルートに復帰できたからよかったが、こういうミスが事故に発展する。 後から考えると何でここで間違う?という感じで、ボーっとしていたのかも。 高度を上げるに従いガスの濃度も高まり、もう眺望は全く期待できなくなった。 この時点で目標は何とか奥穂高まで行って無事テントに戻ることに下方修正。 雨の中、北穂高に登頂するも真っ白けで無人。ここから涸沢岳までの岩稜帯は厳しいルートだった。 西側の断崖から吹き上がる暴風に恐怖を感じながら進む。雨量は多くはないものの、風を伴って纏わりつくいやな感じ。 濡れた悪相の岩場、滑落だけは絶対避ける、と念じて3点確保で一歩ずつ。 いやあ精神力試されるわ~。あまりの荒天に3千mの稜線で独り笑ってしまった。もう無事帰れればそれでいい感じになってきた(笑)。 途中逆回りの登山者と唯一のスライド。暴風を受けながら「奥穂高もこんな感じでしたよ」 「北穂高も何も見えません」という会話を交わす。 涸沢岳は地味目な標識以外何も見えず、30秒で撤収。 カメラを濡らさないよう、写真撮るのも一苦労。そもそも真っ白けで被写体もないか(笑)。 穂高岳山荘まで来ると孤独な闘いから解放された気分。軒を借りて軽食、そしてラスボス奥穂高へ。 なかなかの鎖やハシゴも登場したが、稜線の危険度に慣れて麻痺した感情には堪えない。 方位盤を見ながら晴れていれば見えたはずの山々を想像し、ホッとしながら無人の山頂を踏む。 あー、前回の塩見岳に続き眺望2連敗。 テントに着いてもまだ昼で十分時間があったが、この天候でジャンダルムは文字通り命懸けになるので無理と判断。一仕事終えた感を抱きながらザイテングラートを下る。徐々に天候は回復し始め、ザイテングラートの圧巻のカールの全容を拝むことができた。改めて雄大な山だ。過酷なルートだったが、まあまあの大団円。 テントに戻りビールで一服しながら孤独だった岩稜帯を思い返す。 3日目。 もう上高地へ下るだけ。この日のモルゲンロートは前日よりもやや薄い色だが、山全体を照らしていて美しかった。2日ともモルゲンロートが見られたのは幸運。 長い下山道を経て、さわんど温泉梓湖畔の湯に浸り帰路についた。 [メモ] ・装備:タイオガブーツ、アコンカグア70、ナンガ夏用シュラフ ・駐車場:¥700/日(3日分) ・バス:往復¥2400 ・幕営料:¥2000/日(予約不要) ・夜はソフトシェルと夏用シュラフ+シュラフカバーの耐寒で問題なし。ダウンジャケット、ダウンパンツは未着用。 ・2日目にアタックザックの防水対策とレイングローブをテントに置き忘れたことは反省点。もう少し気温が低ければ指先が辛かっただろう。 ・ヒュッテのトイレは紙もあり、割と清潔で快適。水場は沢から引いた水道。
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