活動データ
タイム
11:39
距離
20.7km
のぼり
2077m
くだり
2068m
活動詳細
すべて見る前日車中泊の夜空には星が瞬いていた。明日いい感じじゃね?と今回のバディ・H氏とほくそ笑む午前2時。 ところが翌朝6時まで仮眠して起きたらどんより空。えー何でよ?まあそのうち回復するかもと出発。 林道歩きを経ていよいよ入山。すれ違った高齢のパーティのおばちゃんは「昨日は天気最高、私たちの空だったのよ」と満足げに話していた。羨ましい。シダが覆う森を登っていく。カウント式の標識があり、三伏峠までの行程がわかる。怪しい空模様、登山道から見える空は登るに連れてますます白くなって、期待していた眺望を覆い隠す。やがて霧が雨に変わり、しっとりと森を濡らしはじめ、レインウエアを出さずには済まない状況になった。 三伏峠小屋からほとんどの登山者が塩見岳に向かう中、我々だけが別方向。稜線に出ても天候は回復せず。それどころか、雨に強風が加勢しだした。烏帽子岳に到着、まったく何も見えず。天気が良ければ泊地の更に先の大日影山まで向かう予定だったが、コンディションが悪すぎて、とても行けそうにない。カメラを出せる状況でもなく、今回の山行は写真が少ない。 三伏峠小屋から先の稜線には水場がないため、多めに背負った水が重い。白一色の空と雨と風が更に気を重くし、ザックの荷重に加わっている気分。晴れやかな稜線歩きのはずが、久しぶりの雨中歩行訓練に変わってしまった。 途中、登山道を整備している男女2人に会う。伸びた木の枝を剪定していた。この天候の中本当にご苦労様です。聞けば今夜は避難小屋で同宿とのこと。軽く挨拶を交わし先に進む。 小河内岳山頂で一時風雨が止み、ガスの切れ間から山並みが見られた。少しだけ気も晴れる。それが今回の山行で得られた唯一の眺望。「晴れていればなあ」という恨み言をこの山行で何度口にしたことか。 避難小屋に到着。先着していた先ほどの二人は実は小屋の関係者で、たまたまこの日来ていたとのこと。既にストーブが灯っており、濡れた衣服や靴を乾かすことができた。ストーブは通常は管理人しか使えないので超ラッキー。 女性は別の山小屋の小屋主さん。スラっとしたとてもきれいな方。昨年から2年続けてコロナで小屋の営業を自粛しているという。数日前、今回のルートを検討した際にネットで見た山小屋情報にこの方の写真と記事が出ていて、数日後、目の前にご本人が居ると言う不思議な偶然。 荒天の避難小屋、雨が音を立てて小屋の壁に当たる。そんな中で山や山小屋の話など、就寝までの時間、興味深い色んな話をして山での会話を楽しんだ。偶然の出会いが荒天の山を思い出深い山行へと変えてくれたのだった。 翌日も天候は回復せず。三伏峠から塩見岳に向かう予定だったが、無念の下山を決断。我々が先に出立したが、山慣れした二人に途中で追いつかれる。やはり速い。営業再開後の小屋での再会を約束して峠で二人とは別れた。 予定外に早く下山したので、温泉で温まろうと予定していた日帰り温泉に向かうが、赤石荘(本日休業)も山塩館(日帰り入浴休業)にも振られる始末。ツイてないときはこんなもの。ようやく松川IC近くの清流苑という町営温泉に落ち着いた。来年あたりもう一度来よう。今度は稜線を縦走してみたい、とH氏と話す帰りの車中であった。 [メモ] 装備:スカルパオールレザー、アコンカグア70、ナンガ夏用シュラフ 水場:途中1か所のみ(地図には水量は細いと書かれていたが豊富) トイレ:鳥倉登山口駐車場、三伏峠小屋、小河内岳避難小屋 駐車場:第1~3まであり、1が最も登山口に近い。林道を自転車で行く人もいる。
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