活動データ
タイム
05:32
距離
12.9km
のぼり
853m
くだり
854m
活動詳細
すべて見る愛知県の緊急事態宣言が明ける。 まさかの40日ぶりの登山だよ。 早く普通の日々が訪れてほしい。 普通が一番。 ✻✻✻ 岩岳 ✻✻✻ 夜も明けきらぬ早朝。飯田街道を離れると、すぐに漆黒の県道になった。段戸山牧場を越えると、闇の中に駒ヶ原の集落が現われた。そこに、農園レストランがあったりするからびっくりだ。 林道の脇道に車を寄せて仮眠。夜の明けるのを待つ。夜半、トラツグミの声を聞いた。 朝だ。ザックを担いで、林道支線から鉄のゲートを抜ける。道端のスギゴケの胞子のうがきれい。こういうのは道草じゃなくて、道ゴケって言うのかな。 小沢の右岸に沿う小径が登山道だ。鉄塔に立つと西納庫(にしなぐら)の町が見え、その奥に井山の風車が回っていた。天狗棚、碁盤石、古町高山の展望をひとしきり楽しむ。尾根道に入り、巨岩の右をすり抜けて登る。二つの分岐をやり過ごすと、そこが岩岳の山頂だった。 大岩の上に立つと、そよ風が涼しい。北遠の山並みをバックに、三ツ瀬と平山の両明神・鹿島・大鈴・宇連の裾野。そして目の前の巨大な山が、仏庫裡(ぶっくり)だ。 ✻✻✻ 仏庫裡 ✻✻✻ 山頂から、湯谷ルートをたどる。私は広域林道にある峠登山口をめざした。高度を落とすにつれ、小沢が集まり始める。途端にルート読みが難しくなった。 何が難しいのかというと、まず新設の広域林道自体、地図にない。その林道が走るコースを予想しながら、山仕事の人が利用した道を探して細かな地形を追う、という高度な技が要求される。 造林小屋跡から小さな峠を越え、広域林道に向かう。付近は「小鷹山」と呼ばれる営林地だ。縦横に仕事道が走り、現在地の把握に手こずった。 ようやく広域林道に降りた。しばらくは道路歩き。「通行止め看板」のある十字路。ここから古い林道に入る。路肩に「加周界」の石碑がある。加周とは、大正・昭和にわたった活躍した有力な林業家「加藤周太郎」のこと。ここは彼が築いた広大な造林地だ。 小鳥たちの鳴き声がにぎやかになってきた。カッコー、ホトトギス、コマドリ、オオルリ、ツツドリ、アカショウビン。 仏庫裡の山頂は、やっぱり展望なし。納庫(名倉)地域は織田・武田・今川の争奪の地。近くには小鷹城と呼ばれる山城があった。かつての展望は下界をにらみつけてパーフェクトだっただろう。僕は、段戸208号線を歩いて先を急ぐ。 ✻✻✻ 鷹ノ巣山 ✻✻✻ 途中、林道支線へ。ところが、すぐに行き詰まる。しばらくは小笹の仕事道を拾うが、湿地になるあたりで、思わぬ方向に導かれていく。ヤバイぞ。ヤブこぎして、軌道修正。削り出したばかりの林道に這い上がる。すぐ、林道本線(林小班界・民地178の標識あり)に合流してホッと一息。 遊び心を起こして、わざとルートアウトしてみた。うまくすれば沢の左岸側から1124経由で鷹ノ巣山に登れる。林道詰めまで歩いたが、作戦失敗。やれやれ、戻り返そう。 出来たてホヤホヤの広域林道に合流。昔の林道が並んで走っている。けど、その歴史ある林道、工事のせいでズタボロ。おまけに、あろうことか、にわか雨が降り出した。 やむなく広域林道に戻る。頃合いを見て、山肌に取りつき、鷹ノ巣山の山頂を狙った。急登をかき上がり、枝沢を渡るうち、上から人の声。「第一関門突破~♪」と陽気な声が響いてくる。彼らは沢道、私は尾根道。残念ながらお会いすることはなかった。 地図にない林道を横切り、鷹ノ巣山へ。O高校の記念碑、ササに覆われた三角点、謎の木バシゴ。雨に濡れ、緑したたるオオイタヤメイゲツ。すすけた私の心も、これで生き返った。 雨もまた良し。雨だって神さまがくれた贈り物なんだな。 さあ、帰ろう。
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