八ヶ岳 天狗岳・硫黄岳・横岳

2021.07.30(金) 2 DAYS

チェックポイント

DAY 1
合計時間
6 時間 23
休憩時間
1 時間 44
距離
5.6 km
のぼり / くだり
886 / 182 m
DAY 2
合計時間
7 時間 49
休憩時間
1 時間 32
距離
8.8 km
のぼり / くだり
576 / 1373 m
31
1 1
22
26
15
2 20

活動詳細

すべて見る

八ヶ岳の中央部を歩いてきました。天狗岳から横岳にかけて、コマクサの大群落が見事でした。 朝東京は雷雨で、どうしようかと思ったが、笹子トンネルを抜けると青空が見えて一安心。茅野から渋の湯へのバスは、今年は夏の期間中も週末だけの運行で、タクシー8,000円超の出費。登山口からひんやりとしたコメツガの森をひと登りして、しばらく緩やかに進み、さらにひと登りすると唐沢鉱泉からの道と合わさる尾根上に出る。林床に一面の苔の生えたコメツガとダケカンバを中心とした混交林は、北八ツを代表する風景だ。だんだんシラベやオオシラビソが増えてくると、右手の沢に下りて、沢沿いの道となる。大きな石や桟道が続き、いい加減疲れたころにようやく黒百合平に出た。曇り空だがまだ雨は降らない。  ランチ大休止のあと、奥庭に向かう。最初は大きな岩を乗り越えていく急登だ。振り返ると中山方面の原生林が美しい。バラバラを音がしたと思ったら、麓の方から何か荷物を抱えたドローンが飛んできて、黒百合ヒュッテの前に降りて行った。誰が操縦しているのか不思議だ。奥庭に出ると、行く手に天狗岳が見えてくる。岩稜をしばらく進み、東天狗の稜線への急登を頑張ると、中山峠からのルートと合流する。この上の岩峰は、右にいったん下って巻くのが正解。我々は稜線通しに登ってしまい、岩峰を左から巻いたが、ここは悪い。東天狗の山頂に登りついたころからパラパラと雨が降ってきた。先ほどから遠雷が聞こえていた黒雲が、こちらにかかってきたようだ。急いで根石岳に向かうが、本沢温泉の分岐を過ぎて小ピークを巻いたところで雷雲がまさに頭上に差し掛かる。しばらく姿勢を低くしてやり過ごしたが、怖かった。雨のピークが過ぎたところで根石岳を越えると、今夜の宿・根石岳山荘が見えてきた。 根石岳山荘は、稜線の小屋なのにお風呂に入れてくれる。食事も立派なトンカツ、布団は毎日カバーやシーツを替えてふかふか。人数を抑えて、大部屋をグループごとに段ボールの屏風で仕切ってあり、とても快適に過ごせた。小屋の前の砂礫地はコマクサの大群落だ。小屋番によると、今年はまだこれからだということだが、十分きれいだった。 翌朝は良い天気だ。小海側は一面の雲海で、その上から陽が昇った。諏訪側ははるか遠くに乗鞍、穂高、槍がよく見える。箕冠山から夏沢峠にかけては再び森の中、朝の清々しい空気と森の香りを楽しむ。夏沢峠の二軒の小屋はどちらも休業中だ。硫黄岳に向かって登っていくと、森林限界を出たあたりで小海側から雲が沸いてきて、青空が見えなくなってしまった。とはいえ高曇りで悪い天気ではない。大きなケルンの道標をたどって、左に硫黄岳の火口壁の断崖を望みつつ、硫黄岳に登りつくと、目の前に横岳、赤岳、阿弥陀岳の稜線が広がった。横岳のギザギザがよくわかる。  硫黄岳山荘へ下り始めると、あたりは一面のお花畑だ。チシマギキョウの青、ミヤマダイコンソウやタカネニガナの黄色、コバイケイやタカネツメクサの白。さらに下って黒い砂礫地になると、コマクサのピンク。硫黄岳山荘をすぎて横岳に向かうとさらにコマクサが増えてきた。最初のピーク、台座ノ頭付近は、コマクサで斜面がピンクに染まっている。こんな大群落は初めて見た。台座ノ頭でストックをザックに付けて、横岳奥の院への登りに備える。ここからが横岳の核心部だ。鎖を頼りに小海側巻いて、岩場を登り、さらに梯子で稜線上に出て、岩稜を慎重に登ると横岳最高点の奥の院だ。右手はすっぱり切れ落ちて、その向こうに大同心の鋭鋒がそびえる。高所恐怖症の連れはかなり怖かったらしいが、雲で高度感がそれほどでもなかったのがよかったらしい。  奥の院でゆっくり息を整えて、今回の下山口・三叉峰へ向かう。赤岳まで時間的には行けそうだが、鎖場の連続する県界尾根や真教寺尾根を連れが下るのは無理と思っていたので、杣添尾根を下る計画だ。杣添尾根は岩場は全くなく、坦々とした下りが続く。上部は最近(二年前と聞いた)尾根通しに道を付け替えたそうで、まだハイマツの根が露出した切り開きの中を進むと、2600m付近に板張りの展望台ができていた。ここでランチ休憩をとって、あとはひたすら樹林帯を下って海の口別荘地の登山口へ下りた。昼過ぎから雨の予報だったが、幸い天気は崩れなかった。予約しておいたタクシーに迎えに来てもらって野辺山へ。

八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 渋の湯登山口
渋の湯登山口
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 最初の急登が終わった
最初の急登が終わった
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 尾根に上がると混交林の中緩やかな登りが続く
尾根に上がると混交林の中緩やかな登りが続く
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) だんだんシラビソ・オオシラビソが増えてくる
だんだんシラビソ・オオシラビソが増えてくる
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 沢沿いに最後の登り
沢沿いに最後の登り
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 黒百合ヒュッテ
黒百合ヒュッテ
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 奥庭への登りから中山方面。一面の樹海
奥庭への登りから中山方面。一面の樹海
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) ドローンで何かを黒百合ヒュッテに運んでいた
ドローンで何かを黒百合ヒュッテに運んでいた
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 天狗の奥庭から東天狗岳(左)と西天狗岳(右)。道は右手から回り込んで東天狗に登る
天狗の奥庭から東天狗岳(左)と西天狗岳(右)。道は右手から回り込んで東天狗に登る
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 東天狗山頂、パラパラと降り出した
東天狗山頂、パラパラと降り出した
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 根石の小屋の前はコマクサの大群落
根石の小屋の前はコマクサの大群落
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 根石岳山荘。こんな稜線の小屋でお風呂に入れるなんて。布団もふわふわで快適
根石岳山荘。こんな稜線の小屋でお風呂に入れるなんて。布団もふわふわで快適
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) ご来光。小海方面は見事な雲海
ご来光。小海方面は見事な雲海
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 西天狗岳に朝日が当たる
西天狗岳に朝日が当たる
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 穂高連峰
穂高連峰
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 箕冠山付近から天狗岳(両側)と根石岳(中央)
箕冠山付近から天狗岳(両側)と根石岳(中央)
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 苔を纏って動き出しそうな切り株達。雪の女王のトロールを思わせる
苔を纏って動き出しそうな切り株達。雪の女王のトロールを思わせる
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 夏沢峠
夏沢峠
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 硫黄岳に登る。ケルンの道標が並んでいる
硫黄岳に登る。ケルンの道標が並んでいる
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) ミヤマダイコンソウ
ミヤマダイコンソウ
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 硫黄岳の火口壁
硫黄岳の火口壁
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 頂上が近づいてきた
頂上が近づいてきた
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 硫黄岳から横岳と赤岳
硫黄岳から横岳と赤岳
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) コバイケイソウ
コバイケイソウ
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) タカネツメクサ
タカネツメクサ
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) チシマギキョウ
チシマギキョウ
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 硫黄岳小屋近くのコマクサ。土が黒いので映える
硫黄岳小屋近くのコマクサ。土が黒いので映える
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 大同心
大同心
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 横岳に向かう台座の頭付近は、斜面全体がピンクに染まるコマクサの大群落
横岳に向かう台座の頭付近は、斜面全体がピンクに染まるコマクサの大群落
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 横岳奥の院の登り
横岳奥の院の登り
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 岩場が続く
岩場が続く
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 横岳最高点奥の院
横岳最高点奥の院
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 奥の院から見下ろす大同心
奥の院から見下ろす大同心
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 稜線上の小さな梯子
稜線上の小さな梯子
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 杣添尾根下り口を振り返る
杣添尾根下り口を振り返る
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 2年前に尾根通しに道を切り開いて付け替えたらしい。まだハイマツの根がたくさん残る道床はフカフカ
2年前に尾根通しに道を切り開いて付け替えたらしい。まだハイマツの根がたくさん残る道床はフカフカ
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 杣添尾根の下部はひたすら混交林の下りが続く。いいかげん飽きてくる
杣添尾根の下部はひたすら混交林の下りが続く。いいかげん飽きてくる
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 杣添川の橋。ここまで来れば八ヶ岳林道は近い。橋に下る階段に被せてある金網が半端なく滑るので要注意
杣添川の橋。ここまで来れば八ヶ岳林道は近い。橋に下る階段に被せてある金網が半端なく滑るので要注意
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 八ヶ岳林道の登山口。駐車場まではまだ意外と長い
八ヶ岳林道の登山口。駐車場まではまだ意外と長い

もしも不適切なコンテンツをお見かけした場合はお知らせください。