活動データ
タイム
14:12
距離
14.4km
のぼり
1462m
くだり
1556m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る八ヶ岳の中央部を歩いてきました。天狗岳から横岳にかけて、コマクサの大群落が見事でした。 朝東京は雷雨で、どうしようかと思ったが、笹子トンネルを抜けると青空が見えて一安心。茅野から渋の湯へのバスは、今年は夏の期間中も週末だけの運行で、タクシー8,000円超の出費。登山口からひんやりとしたコメツガの森をひと登りして、しばらく緩やかに進み、さらにひと登りすると唐沢鉱泉からの道と合わさる尾根上に出る。林床に一面の苔の生えたコメツガとダケカンバを中心とした混交林は、北八ツを代表する風景だ。だんだんシラベやオオシラビソが増えてくると、右手の沢に下りて、沢沿いの道となる。大きな石や桟道が続き、いい加減疲れたころにようやく黒百合平に出た。曇り空だがまだ雨は降らない。 ランチ大休止のあと、奥庭に向かう。最初は大きな岩を乗り越えていく急登だ。振り返ると中山方面の原生林が美しい。バラバラを音がしたと思ったら、麓の方から何か荷物を抱えたドローンが飛んできて、黒百合ヒュッテの前に降りて行った。誰が操縦しているのか不思議だ。奥庭に出ると、行く手に天狗岳が見えてくる。岩稜をしばらく進み、東天狗の稜線への急登を頑張ると、中山峠からのルートと合流する。この上の岩峰は、右にいったん下って巻くのが正解。我々は稜線通しに登ってしまい、岩峰を左から巻いたが、ここは悪い。東天狗の山頂に登りついたころからパラパラと雨が降ってきた。先ほどから遠雷が聞こえていた黒雲が、こちらにかかってきたようだ。急いで根石岳に向かうが、本沢温泉の分岐を過ぎて小ピークを巻いたところで雷雲がまさに頭上に差し掛かる。しばらく姿勢を低くしてやり過ごしたが、怖かった。雨のピークが過ぎたところで根石岳を越えると、今夜の宿・根石岳山荘が見えてきた。 根石岳山荘は、稜線の小屋なのにお風呂に入れてくれる。食事も立派なトンカツ、布団は毎日カバーやシーツを替えてふかふか。人数を抑えて、大部屋をグループごとに段ボールの屏風で仕切ってあり、とても快適に過ごせた。小屋の前の砂礫地はコマクサの大群落だ。小屋番によると、今年はまだこれからだということだが、十分きれいだった。 翌朝は良い天気だ。小海側は一面の雲海で、その上から陽が昇った。諏訪側ははるか遠くに乗鞍、穂高、槍がよく見える。箕冠山から夏沢峠にかけては再び森の中、朝の清々しい空気と森の香りを楽しむ。夏沢峠の二軒の小屋はどちらも休業中だ。硫黄岳に向かって登っていくと、森林限界を出たあたりで小海側から雲が沸いてきて、青空が見えなくなってしまった。とはいえ高曇りで悪い天気ではない。大きなケルンの道標をたどって、左に硫黄岳の火口壁の断崖を望みつつ、硫黄岳に登りつくと、目の前に横岳、赤岳、阿弥陀岳の稜線が広がった。横岳のギザギザがよくわかる。 硫黄岳山荘へ下り始めると、あたりは一面のお花畑だ。チシマギキョウの青、ミヤマダイコンソウやタカネニガナの黄色、コバイケイやタカネツメクサの白。さらに下って黒い砂礫地になると、コマクサのピンク。硫黄岳山荘をすぎて横岳に向かうとさらにコマクサが増えてきた。最初のピーク、台座ノ頭付近は、コマクサで斜面がピンクに染まっている。こんな大群落は初めて見た。台座ノ頭でストックをザックに付けて、横岳奥の院への登りに備える。ここからが横岳の核心部だ。鎖を頼りに小海側巻いて、岩場を登り、さらに梯子で稜線上に出て、岩稜を慎重に登ると横岳最高点の奥の院だ。右手はすっぱり切れ落ちて、その向こうに大同心の鋭鋒がそびえる。高所恐怖症の連れはかなり怖かったらしいが、雲で高度感がそれほどでもなかったのがよかったらしい。 奥の院でゆっくり息を整えて、今回の下山口・三叉峰へ向かう。赤岳まで時間的には行けそうだが、鎖場の連続する県界尾根や真教寺尾根を連れが下るのは無理と思っていたので、杣添尾根を下る計画だ。杣添尾根は岩場は全くなく、坦々とした下りが続く。上部は最近(二年前と聞いた)尾根通しに道を付け替えたそうで、まだハイマツの根が露出した切り開きの中を進むと、2600m付近に板張りの展望台ができていた。ここでランチ休憩をとって、あとはひたすら樹林帯を下って海の口別荘地の登山口へ下りた。昼過ぎから雨の予報だったが、幸い天気は崩れなかった。予約しておいたタクシーに迎えに来てもらって野辺山へ。
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