湯の沢川～万計山荘

いつものジジイから電話があった。 「湯の沢 8:30」 私はてっきり湯の沢温泉で一つ風呂浸かるものだと思い、石鹸やらシャンプーやらを準備万端整えて車を待っていた。 ところがどうも様子がおかしい。 どうやら湯の沢川と湯の沢温泉を取り違えたようだ。 ジリジリ暑くて堪らんと言うので、沢を歩いて涼もうというのだ。 慌てて石鹸とシャンプーを沢靴とヘルメットに持ち替えて車に乗り込んだ。 メンバーは4人。 標高600m辺りまでは快調だった。 ところが前日の頂白山と連チャンとあって、じわりじわりと体力が奪われて行く。 やがてバランスが怪しくなり、石の上で何度か足を滑らせて転倒だ。 滑床、小滝が美しいのだが、防水ケースからスマホを取り出して写真を撮る余裕など全くない。 林道と合流する少し手前でまた転倒、岩に左側肋骨をしたたか痛打した。 ここからは、一歩踏み出すたびに肋骨が悲鳴を上げ、万計沼から登山口までが気が遠くなるほど長かった。 足を引き摺るようにして登山口に向かっている間、頭の中を駆け巡るのは只一つ、湯の川温泉で湯上がりのビールをキュッと飲み干している空想だけだ。 ✳️ YAMAPの起動を忘れ、入渓した辺りで 開始ボタンを押した。 また、下山時の軌跡が途中で切れてしまっ た。