櫛形山・裸山~アヤメ平~

2021.06.26(土) 日帰り

活動データ

タイム

04:54

距離

9.2km

のぼり

653m

くだり

649m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
4 時間 54
休憩時間
24
距離
9.2 km
のぼり / くだり
653 / 649 m
9
39
2 47

活動詳細

すべて見る

 テン泊デビューを当て込んで金曜日午後半休にし、天気にフレキシブルに対応するため一週間前にレンタカーも予約した。そして、念じつつ、飽きもせず、GPV天気予報の雨雲シミュレーションを動かす日々。人生はそううまい具合にいかないものだ。  テントを購入した旨を公表し初回の不安を吐露すると、すぐさまテン泊の先人Y氏から、”初めてでも安心”な生理用品のような素敵なキャンプ場をいくつかご紹介いただいた。今週はその中の一つに行きたかったのだが、木曜夜のシミュレーションでは夜半に雨が通過する結果。雨上がり若しくは雨中でテントを片付けるのは面倒に思い、計画を変更することにした。  シミュレーションによると、東京近隣では南側の方が雨が降りにくいようだった。そこで少し遠いが南アルプスを近くで観たいと考えた。前衛の山で車中泊できるところにしてみよう、帰りも考えて時間的にハードでない山がいい。検討した結果、櫛形山登山口の駐車場が良さそうだった。何しろ午後から動けるのだからいきなり登山口の駐車場ではもったいないと思い、寄り道する場所も考えた。日の入りと富士山と湖を一枚に収めたいと考えて場所を探した結果、芦ノ湖がこれに該当した。  金曜日の夕刻、芦ノ湖湖畔の無料駐車場はスッカスカ、お天気雨が降っていた。二隻の海賊船は桟橋に停泊し、その上をツバメがひっきりなしに飛び交っている。貸しボート小屋もカーテンが閉じていた。ただ、一人の男が胴まであるゴムズボンを履いて湖中に立ち、何かを釣っていた。  芦ノ湖に近付く道中で小雨がぱらついたりしたのであまり期待していなかったが、やはり雲は厚く、私の獲物は釣れそうにない。仕方ないのであてもなくあたりをぶらつく。恩賜箱根公園からの戻り道、再現された箱根の関所に入った。薄暮の中、無人の関所はそのまま時代劇の中に入った気分だ。私は誰に咎められることもなく関所破りしたのだった。  櫛形山の登山口駐車場は1800m以上の標高にあって、うねった細い山道をひたすら登る。かなり高い標高地に人家があったが、何故あんな辺鄙な土地に住むのだろうかと訝しむ。その人家あたりから道を逸れて細い林道に入った。夜中だったし一部区間に濃霧がでていて視界が悪い。道は舗装されているが1台分の幅しかなく、もしも上から車が来たら困るな、路側帯のある場所までバックしたくないな、と不安がよぎった。また、道路脇にところどころ大きな岩が転がっていて、落ちてきたやつを片付けたんだな、こいつがきたら一巻の終わりだなと思った。  駐車場に着いた時は午前0時を過ぎていたが、雲が厚く星は見えない。白線で囲まれた枠がすべて空いていた。それはそうだろう、今夜は俺だけさ、しかし車中泊なんて何年ぶりだろう、と思う。若いころ車で飲みに行って、朝までの時間車で寝たことは何度もあったけど。  スマホのアラームをセットした後、エンジンを切ってシートを倒した。その時変なことを思い出した。バブル時代のホンダ・プレリュードだったと思うが、あの車は運転席側から助手席を倒せる通称「スケベノブ」が付いていた、らしい。”らしい”というのは、私と私の周辺はバブルの恩恵には全く縁遠かったので、実物にお目にかかったことがないからだ。(これを読んでいる人で実際にあの目的でスケベノブを使ったことがある人、あるいは使われた経験がある人は正直に申告しなさい)  やはり車のシートでは寝付けない。目をつむり眠りにつこうとあがいていると、冷気がドアからにじり寄ってきた。登山用の半袖の上に薄手のウインドウシェルを羽織っただけだったので、かなり寒い。面倒くさいのでしばらく我慢したが、我慢しきれなくなって持参したソフトシェルを布団代わりに掛けた。初めからそうすればよかったのだ。それでもぼんやりと意識があるような状態が続く。しかし、私は頑なに目を閉じ続けた。  なんとなく腕時計を見た時、蛍光塗料が塗られた針は3時半を回っていた。寝ころんだ姿勢のまま窓の外を見やると、小さいがしっかりとした光源が針葉樹の先端のすこし上で揺れている。U.F.O.の三文字が頭に浮かび、あるいは人魂という超自然現象的実在を考える。私は薄目でにらみつけるように老眼の目をこらした。よく見れば木の方が揺れている。火星かな金星かな、ああ、そういうことかとガッカリというか残念というか、そんな気持ちでむっくり起き上がった。外は雨が降っていない。車外の空気を吸いたくなって外に出た。一睡もできなかったと思っていたが、見覚えのない二台の車があるのを見て、少しは眠れたんだなと思った。寝ぼけまなこで空を見上げると、月が煌々と輝いていた。急いで支度したほうがいいと直感した。

櫛形山・裸山・唐松岳 芦ノ湖に一瞬陽が差した
芦ノ湖に一瞬陽が差した
櫛形山・裸山・唐松岳 富士山は見えない
富士山は見えない
櫛形山・裸山・唐松岳 恩賜箱根公園のヤマボウシ ヤマボウシの実はマンゴーの味らしいです
恩賜箱根公園のヤマボウシ ヤマボウシの実はマンゴーの味らしいです
櫛形山・裸山・唐松岳 現在の箱根は寂しい
現在の箱根は寂しい
櫛形山・裸山・唐松岳 芦ノ湖は、暗闇に覆われ、静寂に包まれた
芦ノ湖は、暗闇に覆われ、静寂に包まれた
櫛形山・裸山・唐松岳 そして、新しい朝が来た、希望の朝だ
そして、新しい朝が来た、希望の朝だ
櫛形山・裸山・唐松岳 暗くて気付かなかったが、上に鹿がいて、突然飛び跳ねながら逃げて行った。鹿のほうが驚いたらしい。
暗くて気付かなかったが、上に鹿がいて、突然飛び跳ねながら逃げて行った。鹿のほうが驚いたらしい。
櫛形山・裸山・唐松岳 惑星と衛星 今日の一押し
惑星と衛星 今日の一押し
櫛形山・裸山・唐松岳 広河内岳―農鳥岳-間ノ岳
広河内岳―農鳥岳-間ノ岳
櫛形山・裸山・唐松岳 私もお忘れなく
私もお忘れなく
櫛形山・裸山・唐松岳 孤高の存在
孤高の存在
櫛形山・裸山・唐松岳 あかりに向かって歩く
あかりに向かって歩く
櫛形山・裸山・唐松岳 向こうは光の世界
向こうは光の世界
櫛形山・裸山・唐松岳 太陽がのぞいた
太陽がのぞいた
櫛形山・裸山・唐松岳 森を朝の陽ざしが優しく照らす
森を朝の陽ざしが優しく照らす
櫛形山・裸山・唐松岳 横からの木漏れ日
横からの木漏れ日
櫛形山・裸山・唐松岳 林がきらめく
林がきらめく
櫛形山・裸山・唐松岳 光が差し込む
光が差し込む
櫛形山・裸山・唐松岳 ま~た、きました
ま~た、きました
櫛形山・裸山・唐松岳 もす
もす
櫛形山・裸山・唐松岳 頂上はあっさり目
頂上はあっさり目
櫛形山・裸山・唐松岳 もす
もす
櫛形山・裸山・唐松岳 桜のような花でした(ズミらしいです)
桜のような花でした(ズミらしいです)
櫛形山・裸山・唐松岳 コケ「あちいよ!」
コケ「あちいよ!」
櫛形山・裸山・唐松岳 光線と倒木
光線と倒木
櫛形山・裸山・唐松岳 切り株の岡に
切り株の岡に
櫛形山・裸山・唐松岳 もす
もす
櫛形山・裸山・唐松岳 白峰三山
白峰三山
櫛形山・裸山・唐松岳 北岳
北岳
櫛形山・裸山・唐松岳 間ノ岳
間ノ岳
櫛形山・裸山・唐松岳 農鳥岳
農鳥岳
櫛形山・裸山・唐松岳 私もお忘れなく
私もお忘れなく
櫛形山・裸山・唐松岳 朝露
朝露
櫛形山・裸山・唐松岳 ヤマオダマキ 離れてみると、画面上に菱形の歪んだ線があるのが分かると思います。鹿がアヤメを食べるらしく、鹿が近づけないよう防護網が張り巡らされていました。
ヤマオダマキ 離れてみると、画面上に菱形の歪んだ線があるのが分かると思います。鹿がアヤメを食べるらしく、鹿が近づけないよう防護網が張り巡らされていました。
櫛形山・裸山・唐松岳 裸山のアヤメ ここでも歪んだ線が写っています。
裸山のアヤメ ここでも歪んだ線が写っています。
櫛形山・裸山・唐松岳 切り株村で
切り株村で
櫛形山・裸山・唐松岳 寄り添う二人
寄り添う二人
櫛形山・裸山・唐松岳 家族とペット
家族とペット
櫛形山・裸山・唐松岳 彫刻の森
彫刻の森
櫛形山・裸山・唐松岳 アヤメ平にアヤメなし。アヤメを鹿が食べちゃったらしい。遅れているだけならいいのだが……アヤメ、旨いんかいな?
アヤメ平にアヤメなし。アヤメを鹿が食べちゃったらしい。遅れているだけならいいのだが……アヤメ、旨いんかいな?
櫛形山・裸山・唐松岳 鹿のやつらめ
鹿のやつらめ
櫛形山・裸山・唐松岳 迷彩苔岩の三連星
迷彩苔岩の三連星
櫛形山・裸山・唐松岳 スケルトンモデル
スケルトンモデル
櫛形山・裸山・唐松岳 しっとりパインツリー
しっとりパインツリー
櫛形山・裸山・唐松岳 もす
もす
櫛形山・裸山・唐松岳 樹皮に生える苔は、木にとっては皮膚病みたいなものなのに、人はそこに美しさを感じる、不思議です。
樹皮に生える苔は、木にとっては皮膚病みたいなものなのに、人はそこに美しさを感じる、不思議です。
櫛形山・裸山・唐松岳 天然の「なめこ」じゃないかと
天然の「なめこ」じゃないかと
櫛形山・裸山・唐松岳 もす
もす
櫛形山・裸山・唐松岳 マジかよ!注意と言われても!ここは「覚悟!」でしょ
マジかよ!注意と言われても!ここは「覚悟!」でしょ
櫛形山・裸山・唐松岳 背景はシダ
背景はシダ
櫛形山・裸山・唐松岳 光るシダ
光るシダ
櫛形山・裸山・唐松岳 北岳を心眼で見よ。見えんわ。
北岳を心眼で見よ。見えんわ。
櫛形山・裸山・唐松岳 サラサドウダン
サラサドウダン
櫛形山・裸山・唐松岳 帰ると満車です
帰ると満車です

もしも不適切なコンテンツをお見かけした場合はお知らせください。