ウスキキヌガサタケに出合った城山

　体の調子がいま一つなので「無理せずに登れるところは・・」と考えました。「城山のウスキキヌガサタケはどうなんだろう？」　これまで何度も行きましたが運に恵まれず、まだ見たことありません。 　「まあ、また見られなくても、あそこは山からの眺めいいから」と出発。９時ごろ到着すると、住宅近くの駐車場が次々に埋まっていきます。なんとか駐車できましたが人気にビックリ。最近、コロナ渦の影響かアウトドアが再評価され、近郊の山はどこも人気のようなです。梅雨の合間の晴れ間ということもあるのでしょうか。 　ウスキキヌガサタケ、登山口近くの広場にも出るという情報だったので、広場をウロウロし、探している風の方に声を掛けました。今日は出てないそうです。登りだして、下山してきた城山の常連さんと思しき方に聞くと、上の方にあるそうです。「今日はたくさん出てます。人がいっぱいいるから分かりますよ」。　「よし！」と、元気が出ました。 　教わった場所に着くと、本当にたくさん出ています。10本以上でしょうか。「ここは去年、今年と出ている場所です。こんなにたくさん出ているのは珍しい。いい日に来ましたね」と言われ嬉しくなりました。多くの人が並んでいて、写真撮影するのに少し待ちました。 　自生地の地面を踏むと、出てくる個体に影響があるので立ち入らないように縄張りがしてあります。ロープの外から撮影しましたが、一眼レフと望遠レンズが必要ですね。でも、道の近くの個体もあって堪能しました。臭いは？　マスクを外してみると、「×　＊　△・・・×」　好きな臭いではありません(笑)。 　撮影を終えて登りだすと、横道から出てくる人がいました。そこにもあるとか。行ってみると１本だけありました。さっきとは別の常連さんに出会い、城山の話を聞きながら一緒に登りました。すると下山してくる、また別の常連さんに遭遇。城山に一番詳しい人と紹介されました。その一番さん、「タマゴタケ見てきた」とおっしゃいます。場所を聞いていると、「案内しよう」と登り直してくれました。近くにいた方も「見たい、見たい」と皆ついていきます。 　タマゴタケの場所に着くと、一番さん「ここは通らないで」と、アプローチルートを指示してくれます。踏み荒らすと新しい個体が出ないので、影響ないようにアドバイスしてくれたのです。大切なことですね。皆さんルールを守って順番に撮影していました。 　ひと段落つき、私は頂上で少し早いランチ。珈琲を淹れてサンドイッチをつまみます。頂上の空いたベンチから見えたのは、おそらく福智山山系。「もう随分行ってないな～、誰か一緒に登らんかなあ」とボーッと思いながら、昔の山行を思い出しました。珈琲は、お湯が多すぎました。もう少し濃くした方が好きです。 　下山は、登りに見たウスキキヌガサタケを再確認しながら行きます。少し傘が開いたようでした。相変わらず行列ができていていました。下山途中、分岐点で道を譲った男性と、なんとなく会話が始まり、話しながら下りました。この男性も常連さん。ウスキキヌガサタケの話をすると、黄色のウスキキヌガサタケは見たことあるけど、白のキヌガサタケは見たことないそうです。 　下山したら、登山口近くのキヌガサタケを確認に行こうと思っていたので、一緒に行くことになりました。そこへ行く途中、さっきの一番さんとお仲間の二人連れにまた遭遇。「ありましたか？」と質問すると「あった、あった」。なんと、また案内してくれました。私が同行していた常連さんも、一番さん方とお知り合いだったようです。 　キヌガサタケは、竹林に入り込んでいて教えてもらわないと分からない場所にありました。感謝です！ 　「こっちにも出そうなのがある」と教えてもらうと、タマゴがありました。でも踏まれています。「ちゃんと出るかなあ」と心配する一番さんたち。言われるまで、どこにタマゴがあるのか分かりませんでしたから、私が何の案内もなく入り込んでいたら、知らずに踏みつけていたでしょう。むやみに自生地に立ち入らないのが大事だということを思い知らされました。 　ウスキキヌガサタケ、タマゴタケ、キヌガサタケを城山の常連さん方のご案内で見ることができ、楽しい山行でした。登山道整備をしている地元の方もいるそうです。下山途中から一緒に歩いた常連さんは、別れるときに「また城山に来てくださいね」と言ってくれました。地元の山に愛情をもっていらっしゃるのですね。「いい山だな～」と感じた城山の一日でした。