奇跡の八ヶ岳

2021.06.18(金) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
9 時間 3
休憩時間
1 時間
距離
14.6 km
のぼり / くだり
1408 / 1522 m
23
57
1 6
16
13
20
7
30
33
44
1 18
3

活動詳細

すべて見る

休暇をいかに過ごすべきか? 折りからの梅雨空で山行のアイディアは早々に断念。オンライン飲み会を終わり、未練がましく「てんくら」をチェック。なんと見晴らし予報が「とてもいい」の最高点に改善。同時に断念していたシナリオが息を吹き返す。 そこから準備を開始、0時に床に就く。果たして3時に起床できるのか?それは杞憂に過ぎず、アドレナリン全開。朝が待ち遠しい遠足前夜の子供も同然。 甲府に差し掛かりいつもならば、八ヶ岳が見えてくるはずなのだが、、、山域全体が雲に覆われ、おまけに雨まで降ってくる始末。挫けそうになるが、てんくらを信じることにした。 雨露が北沢の森に透明な輝きを与える。登りは体力を奪う一方で、こうやって心躍る体験を与えてくれる。 赤岳鉱泉から登ること一時間、遂に八ヶ岳の山容を視野に捉える。人を寄せ付けないその荒涼たる姿は、生命溢れる樹林帯とは見事な対比を成しており、その感動は奇声を発するには十分なものだった。 硫黄岳の爆裂火口は、さながらエジンバラ城。屹立した上縁部はそれを想起させる。 硫黄岳山荘に向かう緩やかな陵線は、快適かつ爽快。足取りも軽く、急な山行が英断だったとほくそ笑む。しかしこの時はまだ、横岳、赤岳のアスレチックや急登を知る由も無かった。 考えてみれば最初にデザートを頂いたようなものだ。硫黄岳の稜線を楽しんだ後は、横岳の険しさ、赤岳の急登と、尻上がりに過酷なメニューがやってくる。 だが今日は奇跡の一日なのだ。ガスもなく素晴らしい眺望、稜線では涼しげな風。 それにしても下山の長いこと。南沢の最後の最後で小さな登り返しに遭遇、それも鎖配備のご丁寧さ。目的を達して夢も希望も、ついでに体力も失って独り歩く山道。なんの楽しいことがあろうか?この下山さえ無ければ、登山はもっと楽しいはずだ。下山とはきっと、「お支払」の時間なのだ。 とは言えこんな愚痴も、登山できたからこそ。雨続きの中で得た奇跡の山行に、感謝をしなければなるまい。

もしも不適切なコンテンツをお見かけした場合はお知らせください。