活動データ
タイム
09:27
距離
15.4km
のぼり
1675m
くだり
1675m
活動詳細
すべて見る私が40数年前に所属していた大学のワンダーフォーゲル部では日本百名山のひとつである巻機山(まきはたやま)の麓に巻機山荘という山小屋をもっているので、日頃お世話になっている山仲間達を巻機山荘にお連れして、土日に巻機山と威守松山に登ることにした。巻機山は大学時代以来40数年ぶりに登ることになり、また威守松山は当時は登山道がなかったこともあり、今回始めて登ることになる。ちょうど関東の梅雨入り前の土日で雨が心配されたが、なんとか天気はもちそうと判断して、決行することにする。 6月11日(金)21時半に武蔵浦和をレンタカー2台で出発、関越自動車道を使い、石打塩沢ICでおりて、清水集落経由で、約3時間かかって深夜0時半に巻機山荘に到着。真っ暗な巻機山荘からは星がよく見え、明日の天気への期待が高まる。ワンダーフォーゲル部の現役部員達15名が幻の湿原での1泊2日の藪トレーニング(コースと写真:柄沢山・威守松山 / Gakkuさんの巻機山・割引岳・金城山の活動データ | YAMAP / ヤマップ https://yamap.com/activities/11722609)のために来荘中だったが、1年生2名のみ巻機山荘1階に寝ていて、あとの上級生達は全員巻機山荘の前や桜坂林道のほとりでテントも張らずにおかんしていた。はじめておかん姿を見た山仲間は「人が道端に転がって寝ている!」と驚いていた。 6月12日(土)は井戸尾根を登って、巻機山、牛ヶ岳、割引岳を目指すことにした。朝5時45分に巻機山荘を出発、桜坂駐車場(第1から第4まで4か所あり、1台500円。第3駐車場には新しいトイレもできていた)を通って、林道を歩くと井戸尾根コースと沢コース(ヌクビ沢コースと、割引沢から天狗尾根コース)の分岐につき、その少し先で林道から登山道に入る。沢コースは近年の大雨災害でコースが荒れているとの注意書きの看板もあったが、今の時期はまだ雪が多く残っていて危険なので、普通の人は沢コースには入らない。 ミズナラ林の中を登り、井戸壁の急登をつづら折りのジグザグ状の道を通って登ると、右手に雪が残る米子沢が見える5合目に6時半に到着。振り返ると三角形に尖った大源太山が見える。桧穴の段と呼ばれる約100年前に植林されたというブナ林を通って、7時15分に6合目に着くと左手に天狗岩から割引岳への稜線とその右側にあるヌクビ沢がよく見える。ヌクビ沢には大量の雪渓が残っていることがわかる。7合目からは樹林帯を越えて、見晴らしの良い斜面を登っていく。階段の多い急登だが、背後には谷川連峰が望め、気持ちの良い登りだ。急登を上り詰めると9合目であるニセ巻機山(最近は前巻機山ともいう)に8時45分に到着、今までニセ巻機山の裏に隠れていた巻機山がやっと見え、米子沢源流部に雪が多く残っている。ニセ巻機山までは急登が多かったが、ニセ巻機山から先はたおやかな尾根道で、気持ちの良い湿原・草原地帯を景色を楽しみながら歩け、巻機山登山の一番楽しい部分である。 ニセ巻機山から少し降りると、前面に大量の雪が残っている巻機山避難小屋に9時10分に到着し、中のトイレをお借りする(外のトイレよりも中のトイレのほうがきれかった)。夏は巻機山避難小屋から5分降りたところに水場があるが、今は雪の下になっているので、水くみは難しそうだ(ニセ巻機山から巻機山避難小屋に降りてくる道の横の雪の下から水がでているところが何箇所かあったので、うまく汲めばきれいな雪解け水が汲めそうだったが)。巻機山避難小屋から、水芭蕉が咲く竜王の池を越えて、気持ちのいい道を登っていくと、割引岳方面と牛ヶ岳方面の分岐である巻機山御機屋(おはたや)に9時37分に到着、北に八海山などの越後三山が見える。ここに巻機山山頂の案内棒が立っているが、これは歴史的にここが巻機山の機織(はたおり)信仰に基づく登山の終着点であったからであり、麓の清水集落の端っこにある巻機神社が1合目で、ここにある祠が奥の院で10合目となっている。 巻機山御機屋から牛ヶ岳方面に少し歩くと、巻機山山頂を意味するケルンが積まれているが、特に山名表示などの看板はない(本当の最高点はその奥にあるが、植生保護のため立入禁止となっている)。池塘をいくつか見ながら、朝日平で朝日岳・白毛門方面への稜線への道(歩く人がほとんどいないため藪道となっているらしい)が分岐し、気持ちの良い木道を歩くと、牛が横たわった姿のような牛ヶ岳に10時12分に到着。ここで昼食タイムとしてのんびり過ごす。北面に深いゴルジュ帯をもつ五十沢渓谷が見える(上部は美しいナメだが、今は雪に埋まっている)。 10時50分に牛ヶ岳を出発し、もと来た道を巻機山御機屋まで戻って、割引岳を目指す。割引岳への木道は山の北側の斜面をトラバースするのだが、雪で完全に埋まってしまっていている。木道の下り道は濡れて滑りやすくなっていて、思わず滑って尻もちをつく。木道を歩いて雪に覆われるところから雪の上にでると、雪渓上部の急斜面をけっこう長くトラバースすることになり、万一滑ると危険と感じた。最初木道が終わった地点から尾根まで雪の上を直登しようとしたが、結構雪がかたく、一度足を滑らせて5mほどずるずると木道まで滑り落ちてしまったため、あきらめて、木道をより高い地点まで戻り、草付きを少し登って尾根にでて、尾根伝いに比較的平らな雪渓の最上部を歩いていくことにした。雪が途切れた後は、快適な夏道を歩いて、三角ピークの割引岳へ11時33分到着。割引岳山頂から天狗尾根を降りる道もあるが、下山時には使わないようにとガイドブックに書かれているコースであり、立入禁止のロープが張られていた。 割引岳で一休みした後、また夏道と雪の上を歩いて、巻機山御機屋に戻り、12時25分には巻機山避難小屋まで戻った。一休みした後、12時45分にニセ巻機山に登り返し、井戸尾根を下山。結構長い下山路で、日があたってくると暑く感じた。途中7合目と5合目で小休憩を取り、14時47分に桜坂駐車場まで降りてきて、少し桜坂林道を歩いて深沢を渡る手前で巻機山荘が見えてくると、ほっとした。心配した天気もなんとか最後までもち、頂上での展望にも恵まれ、時折日がさしてくると暑く感じる位で、雄大な巻機山を堪能できた一日だった。
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