活動データ
タイム
09:11
距離
14.1km
のぼり
1750m
くだり
1746m
活動詳細
すべて見る二年ぶりに計画していた残雪の劒岳。 コロナ禍の状況下、叶えることができないまま5月も終わろうとしていた。 今年も諦めるしかなかったが、せめて近くからその勇姿を仰ぎたい…そんな想いから大日三山を縦走することにした。 今年の雪解けは早く状態は微妙…。 当然、夏道は塞がれ雪が切れていれば藪漕ぎになり、稜線までも辿り着けない可能性もあった。 桂台ゲートが開いている時間は7時〜18時(7月〜8月は6時〜19時)。雪の状態も分からない中、奥大日岳まで縦走する時間を考えると当日入りでは閉門時間に間に合わない可能性もあり、称名滝駐車場に前乗りすることにした。 午前一時にセットしておいた目覚ましに起こされ、寝ぼけ眼で見上げた空には無数の星が耀いていたのだが…。 称名滝駐車場を2時に発つ。 距離、標高差を考慮しても時間はたっぷりあるが、あとは雪のコンディションと天気次第だ。 疲れが残った身体を庇いながらゆっくりと登ると牛ノ首辺りから次第に雪が現れ、標高1,800m近い大日平はまだ多くの雪で覆われていた。 薄っすらと明るくなってきた東の空に浮かぶ大日岳…夜明け前にしか見ることのできない朧げな山容を目の当たりに思わず笑みが溢れる。 この日の大日平の冷え込みは厳しく、ソフトシェルを纏ってリスタート。登り詰めて行くと次第に斜度は増し、ついこの間まで真っ白な雪に覆われていた山肌は斑模様となっていた。 所々雪が切れいて先の状況が分からず、トラバースして雪面を繋いで行くも幾度となく藪漕ぎを強いられ、計画に対して一時間近くロス。四苦八苦しながら漸く山頂直下の雪渓に出ることができた。 残すは標高差で100mくらいか。登り詰めて行くと徐々に斜度は緩くなり、6時48分、誰一人いない静かな大日岳の頂に立つことができた。 目の前に聳えるモノクロームの劒岳…。 山頂は厚い雲に覆われていたが、その存在感は言うまでもない。 奥大日岳までの縦走は諦め、暫し山の深さに浸ることにした。
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