聖岳(芝沢ゲート)

誰もいないような山を歩く時、中学校の授業で読んだ 『ファーストペンギン』の話をよく思い出す。 要約すると、ペンギンは普段暮らしている氷の上から 餌を求めて天敵のいる海の中に飛び込む際、 最初の一匹目が海に飛び込んだのを確認してから それに続く形で他の個体も海に飛び込んでいく、 というペンギンの習性になぞらえて、 「何事も勇気を持って先陣を切る人が必要だ」 という話だったと思う。 個人的には登山でも同じ事が言えるなと思っていて、 いくら下調べをしていても直接歩くまでは 初めての山域に足を踏み入れるのは怖いし、 その日に先行者がいないとわかっていれば尚更怖い。 だからといって他の人を待っていても出発が遅れ、 良い景色が見られなくなってしまうかもしれない。 何より平日の聖岳、他の人は来ないかもしれない。 だからこそ、自分を奮い立たせる意味でも ファーストペンギンになったつもりで歩くことにした。 【登山口まで】 カーナビは道の駅 遠山郷かぐらの湯にセット。 そこからはGoogleナビで芝沢ゲートへ。 距離だけで言えばそこまで遠くないが、 実際は半分くらいが山道でアクセスが非常に悪い。 特に根羽村の辺りは細い山道が続きかなり疲れた。 濃霧だったこともあり、運転にはかなり気を遣った。 登山口付近は崩落箇所も無くアクセス可能。 ただ、崩落しやすい地形な気もするので、 大雨の翌日は少しだけ怖い。土砂崩れで 道路が埋まり帰れなくなったら？とか考えてしまった。 23:00過ぎに出発してスーパーで買い物。 その後下道で移動して4:00前には芝沢ゲート到着。 【芝沢ゲート~易老渡分岐】 靴、靴下、ズボンにヒルさがりのジョニーを塗布し、 裾を靴下の中に入れて対策は万全。 便ヶ島までは自転車で行けるという情報があったので、 先週積んでいたロードバイクをそのまま流用した。 光岳へ行かれる方がいたので易老渡まで一緒に移動。 登山開始前に人と話すことができてすごく安心した。 【易老渡~西沢渡】 道もオフロードチックになってきたので、 ロードバイクは易老渡分岐のあたりにデポ。 そこからは一人でとぼとぼ歩く。この日は雨の翌日、 便ヶ島以降は山ビルがたくさんいると思い、薙畑まで ノンストップで駆け抜ける覚悟で来ていたので 便ヶ島でエネルギーとヒルさがりのジョニーを補給。 普通の登山道のようなところを少し上がると トンネルを抜け、ところどころ崩落した道を進む。 西沢渡までは勾配も緩くボーナスステージ。 名物のゴンドラは予想以上に疲れた。 【西沢渡~薙畑】 西沢渡から薙畑までは一気に標高を1,300上げる。 個人的には今までで1番の急登だった。 南アルプスらしく手付かずの自然といった感じで 沢沿いから離れていくにつれ音も静かになっていく。 ここまで来ると恐怖心もかなり薄れていた。 やっぱり怖いのは最初だけで後は楽しい。 びびりのくせに人がいない山を静かに歩くのが好き というのもあるかもしれない。 途中倒木を乗り越えたりくぐったり、 やりたい放題な場所もありつつ、 なんだかんだで薙畑まで到着。 【薙畑~聖岳山頂】 薙畑からはようやく展望がよくなり、 上河内岳、茶臼岳、光岳がよく見えた。 ここで久しぶりに立ち止まってエネルギー補給。 風も強く寒かったので上着を3枚着た。 余分に持ってきたつもりだったが、上着が一枚でも 無かったら撤退していたくらいには寒かった。 薙畑~山頂までは標高差600m、急登で辛かった。 小聖から見た前聖が一番綺麗だった。 上河内岳から見るともっと綺麗なんだろうな。 小聖から前聖まではガレガレの急登で 久しぶりに立ち止まりながら上に進む感じだった。 山頂は360°パノラマで他の人もおらず独り占め。 初めて間近で見る南アルプス南部の山々に 心躍らせながら、しばし景色を堪能した。 奥聖までは岩が多めの稜線、捻挫等に注意して通行。 すっかり夏山の装いの聖岳。最高でした。 【聖岳山頂~芝沢ゲート】 あわよくば上河内岳を登って茶臼、易老渡の方へ 縦走して下山しようと思っていたが、 膝に強い痛みが出始めたので断念。 時間的にもかなり厳しかった。 下山は西沢渡までひたすら急な道を下っていく。 普段ならスイスイいけそうな道だったが、 この日は膝が痛すぎてペースが上がらなかった。 これまで膝が痛くなることはあまりなかったので 今シーズンが少し不安になった。 【カロリー】 ・ウイダー3 ・ハンバーガー1 ・あんドーナツ1 ・クリーム玄米ブラン1 ・塩飴 ・デカビタ2 ・スポドリ2(1本余った) ・水2.5ℓ(1ℓくらい余った) 【下山後】 ・かぐらの湯 ¥400(現在は露天風呂無し) 【膝の皿(内側上部)の痛みについて】 鵞足炎(がそくえん)と思われる。 (痛む部位は違う気もするけど原因全てが当てはまる) 主な原因は準備運動不足、身体の硬さ、使いすぎ。 大腿前面、後面、太もも内側のストレッチ、及び アイシングを実施したところ痛みは少し引いた。 いつもは準備運動サボるけど次からはちゃんと行う。 参照: 関節治療オンライン https://seikei-online.jp/column/knee/1399 ※その他膝前面の内側に痛みを引き起こす症状 ・変形性膝関節症 ・半月板損傷