5月でもNot easy at all    富士山‼️(プリンスルートから)

2021.05.23(日) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
11 時間 11
休憩時間
2 時間 28
距離
11.3 km
のぼり / くだり
1573 / 1564 m

活動詳細

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前にモンベルのお兄ちゃんに、「富士山は他の山と等しく冬は閉山です。」と聞き、つまり逆に言えば、富士山もしっかりとした装備で自己責任による閉山期間中の登山は行われていると知り、色々検索していたが、シンプルに危険すぎるという判断でずっと登山の対象からは外れていた。ヤマップの活動メモで富士山を検索してもなぜかあまり見つからないが、ヒットした方々は、これでもかというくらい富士山にばかり行っている!「これは何かある」ということで、経験値が低い僕でもそろそろ行ける季節になってきたのかなと思い、比較的天気がましな予報だったので、珍しく日曜日に登山を決行した。 大方の人が富士宮ルートで行っているように感じたが、ガッツリ歩ける御殿場口からのルートに惹かれる。しかし、やはりそうは言っても富士山、どれだけ過酷なのかもいまいちわからないので、悩んだ挙げ句に高度2400メートルからスタートできる富士宮口に行くことに。車のナビに富士宮口というのがクリアにはなく(富士山新五合目というのはあったが…)、いきなり高速降り損ね、サファリパークの近くを通り、さらには無駄に料金(¥520)を払って富士山エバーグリーンラインに乗り、それでも富士山は家から近いので4時半に駐車場に入り、一番上の段に停めることができた。もうナビはスマホ一択なのはわかっているが、充電をしながらいい感じのところに置けないから、ついつい車のナビに頼ってしまう。いつも登山に使う方の車は車の画面にスマホの画面を出せるのだが、最近雪もなくなって運転の楽しい方の車で来てしまう。 さすがに、富士宮ルートのピストンではあまりに寂しいので色々調べると、「プリンスルート」というのがある❗これは、今の天皇陛下が皇太子時代に、富士宮五合目を出発して、6合目で宝永山の火口に降りて、そのまま御殿場口の6合目に合流するルートで富士山に登られたことから、そう呼ばれているらしい。これエエわー!とこれで登って、帰りは安全に富士宮ルートで下りる計画を立てた。が、これが予想以上に特に精神的にハードで、お鉢巡りの時間を取れなくなってしまった。 スタートはちょっと難しい。登山口の入り口は、明らかに登山禁止と書かれた看板に、鉄パイプでバリケードされている。やっぱりこの時期、富士山はリアルに登山禁止なんちゃうんか?といぶかりながら、でもみんないつのまにやら中に入り込んでる。しゃーないな行くか😅とバリケードに近づくと、絶妙にかつ、わかりにくく解除されているように見える。デカイザックを背負ったままでも、隙間をするりと抜けることができた。 序盤は当たり前だが全く雪もなく、凄く順調。かつ、あんなに駐車場に人がいっぱいいたのにこのルート誰もいない。広大な宝永山の火口に降り立ち完全なる孤独を味わう。そこから蟻地獄を、宝永山に向けて登り返し、稜線上を強烈な雲海を左に見ながら宝永山へ。あまりに神々しくまた誰もいないことも相まって、凄まじいまでの富士山のスケールの大きさに圧倒される。時間を序盤に稼ぎたかったが、ついつい、いつも以上に写真や動画で遊んでしまい、それほどは稼げなかった。その後、宝永山から御殿場口への合流になぜかてこずり、降りたり、登ったり、無意味なトラバースを繰り返す。最後はなぜか、ルートのすぐ下をトラバースし、ようやく御殿場ルートに合流。そこから七合目まではシンプルに夏道を行く。 七合目にあるわらじ館(日の出館かも)に着くと小屋のすぐ先から雪になっていたので、とりあえずそこでチェーンスパイク装着。また、今日はアルパインウェアをザックにしまって来たので、ここで上下とも装着。これ、アルパインパンツの裾もっと開かないといちいち靴脱がないといけないな。モンベルだけなのかもしれないが。不便で仕方がないように感じるのは僕だけなのか? 装備を整え、小屋先の雪の斜面を歩くと怖いくらいチェーンスパイクが効かない。焦りながらもなんとかすぐ隣の砂走館に到着すると、もう上から下りてきたらしい人が休憩している。凄い序盤にすれ違った人を除けば今日唯一のすれ違い。これはアカンな、アイゼンかなと思って、この方に「上の方はどうですか?」と質問すると、やはり同じような雪質でチェーンスパイクは効かない模様。ただ、ほぼ雪がないらしく、アイゼン着けるかどうかは悩ましかったが、安全のためこの砂走館でアイゼン、ピッケルに交換する。冬靴ってデカイのでチェーンスパイク着けるの本当に苦労したのにほんの数十メートルで脱ぐ羽目に。 話している中で、この方がしきりに「山頂直下さえ気を付けれは大丈夫ですよ。」と繰り返していたのが妙に気になった。 ここから8合目まではあまり雪がなく、あるところもアイゼンはちゃんと効いた。(御殿場ルートってもしかしたら8合目の次は山頂かも。) しかし山頂が近づくにつれて、ルートがなんかいやらしくなってくる。雪ばかりになるのもそうだが、危険なトラバースが多発する。少なくも夏道を辿るとそうなってしまう。まさに皆さんがよく「危険なトラバースで緊張した。」とレポで書かれていたのを身を持って感じる。ワンミスで一発アウトな場所が続く。また、富士山は斜面が下までよく見えて恐怖感が増幅される。あまりにも危険なので夏道を無視したルート取りを画策する。上を見渡すと斜面の左がしっかりとした岩場になっていたので、そこまで恐る恐るトラバースし、岩場を直登することを選択。体力はより使いそうだが、精神力は温存できる。この岩場選択がうまくいき、なんとか無事に山頂の白い鳥居が視界に入って来た。しかし、風がそれなりに強まり、なんかまた、ギリギリ感が強まってくる。もうこの頃にはお鉢巡りは無理だなと諦めていた。 なんとかかんとか安全ゾーンに立ち前を見ると火口の圧巻の光景が眼前に広がっていた。「富士山やっぱり凄いな。」今回の登山はこればっかりが口をつく。高山病みたいな症状が出るかなとも思ったが、気にしすぎていた割には何も感じなかった。浅間大社の大きな鳥居の前で写真を取り、ここまで来たから剣ヶ峯しんどいけど行くしかないよなと思い、そっちの方向に歩いて行くも足取りは重い。でも、そこでスーパーナイスガイと少し会話を交わし、当然のごとく登っていく彼に後押しされて、会話しながら悠々と剣ヶ峯にたどり着くことができた。やっぱり登山って精神力消耗するとダメだな、でも気持ちのいい会話などちょっとしたことですぐ回復するなどと考えながら、剣ヶ峯の石碑の前でしばし写真遊び。 帰りは富士宮ルートからゆっくり帰ろうと思っていたが、このナイスガイが最初の雪斜面の途中まで付き添ってくれた❗高度下がったらましになるからと、どうやら僕の喋りがろれつが回っていなかったのかな😅  富士山なめたらいかんぜよ、を実感した山行となった。

動画

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