活動データ
タイム
02:34
距離
7.6km
のぼり
493m
くだり
491m
活動詳細
すべて見る『ぼくは 透明な君に 逢いに来た』 彼女は、 静かに、そして可憐に、 ぽわっと、そこに佇んでいた。 「やっと、逢えたね…」 ぼくは、そっと彼女に近づく。 彼女の透き通ったガラス細工のような姿…。 ぼくは、彼女に逢いたくて仕方なかった。 「もう、時間はあまり残されていないの…」 彼女は、そうつぶやき、 こちらを見上げている。 よく見ると、 彼女の透明な羽根の幾枚かは ほろほろと落ちてしまっていた。 「最後に逢えてよかった…」 ぼくは心の中で彼女に囁いた。 雨に濡れ、今にも消えてしまいそうな彼女を、 ぼくはじっと見つめる。 儚い彼女を、懸命に目に焼き付けようとして…。 彼女から落ちた透明な羽根は 雨雫…まるで泪のように見えた。 またね、 次の新しい緑が煌めく季節に また、ここで逢おう… 透明な羽根を静かに広げた君に… 優しい雨の雫を纏った美しい君に… しっとりとした森の緑を その透き通った姿に映し 最後に彼女は、ゆっくりと微笑んだ…。 …また、ここで、逢いましょう…
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