釜臥山:下北半島の最高峰へ

2021.04.24(土) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
4 時間 13
休憩時間
38
距離
7.4 km
のぼり / くだり
894 / 866 m
16
47
49
42
33
10

活動詳細

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青森県北東部に「まさかり」のような形で突き出す、本州の最北端部『下北半島』。その中心都市である『むつ市』の港湾地帯を見下ろすようにそびえ立つ一座が『釜臥山(かまぶせやま、878m)』である。下北半島における最高峰でもある本峰は、山頂付近まで道路が通じており手頃な展望スポットとなっているほか、スキー場も整備されており、地元の人々から広く親しまれている模様だ。また『むつ市』は明治時代から現在に至るまで軍港の街としても栄え、『釜臥山』裾野の渚には艦船が舳先を連ねる一方、その山頂には航空自衛隊のレーダー施設も置かれている。すなわち、本州最北端の国防のかなめとしても重要な役割を担っている山なのだ。   そんな『釜臥山』であるが、当然登山道もいくつかのコースが整備されており、筆者としても気になっていたところであった。この冬の間に挑戦してみようとも考えたものの、積雪下の登山道の状況に関してはいまいちイメージが掴みづらく、二の足を踏んでいたのである。そうこうしているうちに季節は移ろい雪解けの時期を迎えたため、ひとまずは無雪期の状況を掴んでおくのが肝要と判断。ちょうどこの土曜日は同地も天候に恵まれる様子であるため、山行には絶好のタイミングである。   そんな訳で、今回はこの『釜臥山』を目指すことを決意。まだ見ぬ下北半島の最高峰を目指し、張り切って出発だ。     <注意事項> ・後述の通り、今回辿ったスキー場沿いの登山道は令和3年4月現在、工事中につき原則立ち入り禁止となっている(工事期間は同年11月中旬までとされている)。一応、自己責任で通行可能ではあるものの、工事の邪魔にならないよう気を配ること。特に、稼働中の重機の付近にさしかかると、オペレーターの方が安全面に配慮して作業を中断せざるを得なくなってしまうため、大人数での山行は慎むべきである。

恐山(大尽山)・釜臥山 JR大湊線の終点『大湊駅』からバスに乗り換え、『海上自衛隊前』バス停にて下車。同所からは、案内標識に導かれて登山口へ向かう。
写真奥が、今回目指す『釜臥山』だ。
JR大湊線の終点『大湊駅』からバスに乗り換え、『海上自衛隊前』バス停にて下車。同所からは、案内標識に導かれて登山口へ向かう。 写真奥が、今回目指す『釜臥山』だ。
恐山(大尽山)・釜臥山 準備運動がてら、登り基調の車道を少々進むと、今回の登山口であるスキー場へ。靴ひもを締め、いざ登山道へ進出だ。
準備運動がてら、登り基調の車道を少々進むと、今回の登山口であるスキー場へ。靴ひもを締め、いざ登山道へ進出だ。
恐山(大尽山)・釜臥山 当然ながらスキー場の入り口からはしばし、ゲレンデの斜面をひたすら登り続ける形となる。
なおこの日、当ゲレンデは工事中で、登山口付近にも立ち入り禁止の立て看板が立っていた。付近の作業員の方に尋ねたところ、ゲレンデの右端を通るように指示されたため、基本的にはそちらを通行することに。足元は枯草に覆われているため、雨上がり後等の通行は難しそうである。
当然ながらスキー場の入り口からはしばし、ゲレンデの斜面をひたすら登り続ける形となる。 なおこの日、当ゲレンデは工事中で、登山口付近にも立ち入り禁止の立て看板が立っていた。付近の作業員の方に尋ねたところ、ゲレンデの右端を通るように指示されたため、基本的にはそちらを通行することに。足元は枯草に覆われているため、雨上がり後等の通行は難しそうである。
恐山(大尽山)・釜臥山 頑張ってゲレンデを登りきると、『釜臥山』山頂を間近に望む小ピークへたどり着く。
ちなみに『釜臥山』山頂に見える白い角ばった建物は、航空自衛隊のレーダー施設だ。
頑張ってゲレンデを登りきると、『釜臥山』山頂を間近に望む小ピークへたどり着く。 ちなみに『釜臥山』山頂に見える白い角ばった建物は、航空自衛隊のレーダー施設だ。
恐山(大尽山)・釜臥山 先程の小ピークの先からは、ようやく登山道らしい道程となる。別の登山口からの登山道を併せたのち、再び登り返しへ。
先程の小ピークの先からは、ようやく登山道らしい道程となる。別の登山口からの登山道を併せたのち、再び登り返しへ。
恐山(大尽山)・釜臥山 そののち、ちょっとした岩場にさしかかると『七面山(しちめんざん、535m)』と呼ばれる小ピークへ到着。同所には、石室の祠が置かれている。
そののち、ちょっとした岩場にさしかかると『七面山(しちめんざん、535m)』と呼ばれる小ピークへ到着。同所には、石室の祠が置かれている。
恐山(大尽山)・釜臥山 先程の岩場を抜けて少し進むと、再び緩やかな尾根道へ。しかしながら足元は若干ザレ気味で、それほど歩きやすい訳ではなかった。
先程の岩場を抜けて少し進むと、再び緩やかな尾根道へ。しかしながら足元は若干ザレ気味で、それほど歩きやすい訳ではなかった。
恐山(大尽山)・釜臥山 やがて登山道が木立の中へ入ると、ここからは山頂へ向け、一気に急坂の道程となる。歩幅に合わない段差も多く、それなりの難路であった。
やがて登山道が木立の中へ入ると、ここからは山頂へ向け、一気に急坂の道程となる。歩幅に合わない段差も多く、それなりの難路であった。
恐山(大尽山)・釜臥山 ロープの張られた岩場を経て樹林帯を抜けると、巨石のせり出す斜面が見えてくる。ここからはいよいよ、山頂へ向け最後の登りに入る。
ロープの張られた岩場を経て樹林帯を抜けると、巨石のせり出す斜面が見えてくる。ここからはいよいよ、山頂へ向け最後の登りに入る。
恐山(大尽山)・釜臥山 山頂直下の岩場はこれまた険しい急斜面で、1000mにも満たない低山とは思えない様相を呈している。おまけに浮石も多いため、最後まで気は抜けない。
山頂直下の岩場はこれまた険しい急斜面で、1000mにも満たない低山とは思えない様相を呈している。おまけに浮石も多いため、最後まで気は抜けない。
恐山(大尽山)・釜臥山 先程の岩場をかろうじて突破すれば、山頂はもう目の前だ。細い踏み跡を辿って、フェンスで囲われたレーダー施設の傍らを目指す。
先程の岩場をかろうじて突破すれば、山頂はもう目の前だ。細い踏み跡を辿って、フェンスで囲われたレーダー施設の傍らを目指す。
恐山(大尽山)・釜臥山 そののち、念願の『釜臥山』へ無事登頂である。写真は、本峰の山神と釈迦如来を祭る石塔のようだ。
そののち、念願の『釜臥山』へ無事登頂である。写真は、本峰の山神と釈迦如来を祭る石塔のようだ。
恐山(大尽山)・釜臥山 山頂に置かれた、航空自衛隊の巨大レーダー装置『J/FPS-5』。航空機のほか、大陸間弾道ミサイルなどの探知、追尾も念頭に開発され、この『釜臥山』山頂においては10年前から運用が開始されている。中央部に膨らむドーム状の部分の模様が亀の甲羅を思わせることから、『ガメラレーダー』との愛称がある。
写真手前側は、『兵頭(ひょうず)神社』奥宮。
山頂に置かれた、航空自衛隊の巨大レーダー装置『J/FPS-5』。航空機のほか、大陸間弾道ミサイルなどの探知、追尾も念頭に開発され、この『釜臥山』山頂においては10年前から運用が開始されている。中央部に膨らむドーム状の部分の模様が亀の甲羅を思わせることから、『ガメラレーダー』との愛称がある。 写真手前側は、『兵頭(ひょうず)神社』奥宮。
恐山(大尽山)・釜臥山 山頂周辺の眺望は抜群で、コンビニおにぎりを頬張りながらしばし休憩。
写真は南東側の眺めで、むつ市の中心市街地からその先の太平洋まで見晴らせた。
山頂周辺の眺望は抜群で、コンビニおにぎりを頬張りながらしばし休憩。 写真は南東側の眺めで、むつ市の中心市街地からその先の太平洋まで見晴らせた。
恐山(大尽山)・釜臥山 こちらは北側の景色。山頂でお会いした壮年の方のお話によると、条件に恵まれれば北海道の峰々を拝めるそうだが、残念ながらこの日はその姿は伺えなかった。
ちなみに、写真左下の建物は観光客向けの展望台のようである。
こちらは北側の景色。山頂でお会いした壮年の方のお話によると、条件に恵まれれば北海道の峰々を拝めるそうだが、残念ながらこの日はその姿は伺えなかった。 ちなみに、写真左下の建物は観光客向けの展望台のようである。
恐山(大尽山)・釜臥山 つづいて、こちらは南西側。麓の港湾部を経て陸奥湾の先に、青森の名峰である『八甲田山』の峰々まで見晴らすことが出来たが、写真にはあまりはっきりと写らなかった(写真右側)。
つづいて、こちらは南西側。麓の港湾部を経て陸奥湾の先に、青森の名峰である『八甲田山』の峰々まで見晴らすことが出来たが、写真にはあまりはっきりと写らなかった(写真右側)。
恐山(大尽山)・釜臥山 カメラに望遠レンズを装着し、麓の海上自衛隊基地を見下ろす。写真はその一角の桟橋周辺。向かって左から、護衛艦DE-231『おおよど』、同じくDD-120『しらぬい』、DD-112『まきなみ』。
カメラに望遠レンズを装着し、麓の海上自衛隊基地を見下ろす。写真はその一角の桟橋周辺。向かって左から、護衛艦DE-231『おおよど』、同じくDD-120『しらぬい』、DD-112『まきなみ』。
恐山(大尽山)・釜臥山 山頂で一休みしたら、下山の途へ。帰途は往路をそのまま引き返す形だが、当然山頂直下のガレ場を今度は下りで通過することとなる。
それなりに急な上、先述の通り浮石も多いため、結構なスリルを味わうこととなった。
山頂で一休みしたら、下山の途へ。帰途は往路をそのまま引き返す形だが、当然山頂直下のガレ場を今度は下りで通過することとなる。 それなりに急な上、先述の通り浮石も多いため、結構なスリルを味わうこととなった。
恐山(大尽山)・釜臥山 その後もテクニカルな急坂を慎重に下り続け、どうにかゲレンデトップまで帰還。写真右側の建物は『望海雪楼(ぼうかいせつろう)』と呼ばれる小屋で、登山者も休憩所として利用可能。
その後もテクニカルな急坂を慎重に下り続け、どうにかゲレンデトップまで帰還。写真右側の建物は『望海雪楼(ぼうかいせつろう)』と呼ばれる小屋で、登山者も休憩所として利用可能。
恐山(大尽山)・釜臥山 なお、先述の『七面山』周辺から、麓に向かう別のルートも続いているが、そちらは地図に記載がなく、全く下調べもしていなかったため、往路同様そのままゲレンデを通って下山することとした。
写真のつづら折り状の轍はショベルカーがゲレンデトップ付近まで登ってきた跡。この急斜面を辛抱強く登り続けてきた労苦が窺い知れるようで、頭の下がる思いであった。
なお、先述の『七面山』周辺から、麓に向かう別のルートも続いているが、そちらは地図に記載がなく、全く下調べもしていなかったため、往路同様そのままゲレンデを通って下山することとした。 写真のつづら折り状の轍はショベルカーがゲレンデトップ付近まで登ってきた跡。この急斜面を辛抱強く登り続けてきた労苦が窺い知れるようで、頭の下がる思いであった。
恐山(大尽山)・釜臥山 引き続き足元に気を付けつつゲレンデを下り続け、傾斜が緩やかになれば下山口まであと少しだ。
引き続き足元に気を付けつつゲレンデを下り続け、傾斜が緩やかになれば下山口まであと少しだ。
恐山(大尽山)・釜臥山 下山後は、そのまま『北の防人 大湊』へ寄り道していくこととした。当園は、帝国海軍時代の敷地の一部が公園として整備されたもので、往年の面影を楽しみながら散歩できる観光名所だ。写真奥は、カフェや売店などが置かれている『安渡館』と呼ばれる建物。丁度お昼時なので、筆者もここで昼食を摂っていくこととした。
なお此度のログは、本館をゴール地点としている。
下山後は、そのまま『北の防人 大湊』へ寄り道していくこととした。当園は、帝国海軍時代の敷地の一部が公園として整備されたもので、往年の面影を楽しみながら散歩できる観光名所だ。写真奥は、カフェや売店などが置かれている『安渡館』と呼ばれる建物。丁度お昼時なので、筆者もここで昼食を摂っていくこととした。 なお此度のログは、本館をゴール地点としている。
恐山(大尽山)・釜臥山 下山後の楽しみであった『護衛艦はまぎりカレー』。今回登った『釜臥山』麓の海上自衛隊大湊基地。同基地を母港とする護衛艦『はまぎり』の艦内で、金曜日に供食されているカレーのレシピを再現したメニューである。
すりおろしリンゴをふんだんに使い、その甘さが絶妙な辛さを引き立てる奥深い味わいで、大変に美味であった。
下山後の楽しみであった『護衛艦はまぎりカレー』。今回登った『釜臥山』麓の海上自衛隊大湊基地。同基地を母港とする護衛艦『はまぎり』の艦内で、金曜日に供食されているカレーのレシピを再現したメニューである。 すりおろしリンゴをふんだんに使い、その甘さが絶妙な辛さを引き立てる奥深い味わいで、大変に美味であった。
恐山(大尽山)・釜臥山 昼食後は、再び園内を歩いてスタート地点のバス停へ向かう。
この日は丁度、同所も桜の見頃を迎えており、ささやかなお花見を楽しむことが出来た。
昼食後は、再び園内を歩いてスタート地点のバス停へ向かう。 この日は丁度、同所も桜の見頃を迎えており、ささやかなお花見を楽しむことが出来た。
恐山(大尽山)・釜臥山 バス停到着後、ほんの少し時間があったため、港の岸壁まで足を延ばしてみた。
写真は、山頂から撮影したものと同じ三隻。中央の護衛艦、DD-120『しらぬい』は2年前に就役したばかりの最新鋭艦だ。
バス停到着後、ほんの少し時間があったため、港の岸壁まで足を延ばしてみた。 写真は、山頂から撮影したものと同じ三隻。中央の護衛艦、DD-120『しらぬい』は2年前に就役したばかりの最新鋭艦だ。

活動の装備

  • ニコン(Nikon)
    標準ズームレンズAF-SDXNIKKOR16-85mmf/3.5-5.6GEDVRニコンDXフォーマット専用
  • ニコン(Nikon)
    望遠ズームレンズAF-SVRZoomNikkor70-300mmf/4.5-5.6GIF-EDフルサイズ対応
  • ニコン(Nikon)
    デジタル一眼レフカメラD7100ボディーD7100

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