活動データ
タイム
07:07
距離
19.7km
のぼり
1555m
くだり
1558m
活動詳細
すべて見る悲観に暮れる話し 山を歩いていると時々不思議なものを見つけて立ち止まる。何故ここにと小首を傾げ怪しげに見やる。ねぇあれ見て!と仲間に声掛け指差したり笑ったりもするし、この後どうしてるんだろうかと心配したりもする。近所の山なら何とかなるけど、遠くの高い山なんかで起きたら悲惨で考えただけでも身震いをする。 いったい何のことかと言えばソール(靴底)の話しである。登山靴の剥がれたソールが登山道に置き去りにされ、偶然見つけて驚き持ち主の悲観に暮れる姿がふと浮かびそれからの時を巡らしていた。 何故こんな・・・ 一般的な登山靴は靴本体と靴底の間にポリウレタン製のミッドソールという衝撃を和らげるものが使われるが、この材質は湿度に弱くカビなどが原因で劣化して剥離を起こすようだ。メンテを怠り保管環境まで悪ければ経年劣化が早くに起こり、楽しみの途中に残念な結果を招くことになる。 よく聞く話だが、買ってから数年経つけど何度も履かず減りや痛みも少なくまだ使えるし、保管もしっかり乾燥させて大丈夫!と安心するが、そんな事には関係なく接着部の硬化と劣化は進み、悪魔の手は知らぬ間に大事な足元までジワリとにじり寄っている。そうならないためにも適度に履いて歩くことが長持ちの秘訣で、使うたびメンテをするひと手間が重要なのである。 ちなみに、20年前に買ったトレッキングシューズ、いまだに散歩で使っていて本体はボロボロでソールは擦り減ったが剥がれる兆しは全く無い。 踏み出す一歩の足元を見る。これからの山歩きに思いを馳せ、靴紐を締め直して歩く今日の山 白谷ノ丸である。 この山は山梨県の甲州市西側に連なる大菩薩連嶺の一座、標高は2000mに僅かに届かぬが、山頂から見る富士山の容姿が綺麗と人気の山である。 登山の計画は、日川渓谷の天目トンネルから米背負峠を目指し、大谷ヶ丸・ハマイバ丸・大蔵高丸を経て白谷ノ丸に登り、下山に湯ノ沢峠から焼山沢真木林道を抜けてスタート地点へ戻る周回コースを考えている。標準総コースタイムが9時間20分の長丁場になるが、怪我には充分に気をつけながら歩くつもりでいる。 登山は、天目トンネル手前の分岐からのスタートで暫く林道歩いて米背負峠を目指すが、登山口までの長い林道歩きに毎度の事ながら辟易するも初めて歩くコースにワクワクしながら辺りを見回し歩き、登山口から沢沿いに歩いて登れば間も無く稜線に出る。 米背負峠である。なんとも面白い名の峠だが右に折れると直ぐに大谷ヶ丸の片鱗がチラリと見え一気に登り頂きに立つ。 大谷ヶ丸(1643.8m)である。 期待した山頂からの景色は木々の合間に微かで残念だが、地図を覗いてこれから向かう山並みその奥に大菩薩連嶺の長い尾根が緩やかにうねり大菩薩嶺へと繋がるさまに思いを馳せている。 ここからは緩やかにアップダウンを繰り返しながらの稜線歩きが始まり、徐々に高さを増しながら湯ノ沢峠を目指していくのだ。 ハマイバ丸(1752m)である。 秀麗富嶽十二景の一座は枯れた笹藪を越えて点在する露岩の中にあり、ここから見通す周囲の山々を何度も楽しみながら草原を越え、次の一座へと繋いでいく。 大蔵高丸(1781m)である。 この山も秀麗富嶽十二景の一座で、ずんぐりした山容ながら山頂から見る景観には思わず拍手喝采をする。 振り返れば見える霊峰に背を押され一座一座を確かめながらの尾根歩き、いつもと違う景色を楽しみながら歩くのは楽しくて足取りも軽やかに気分も爽快に。爽やかな草原を抜け湯ノ沢峠に着けば、これより一気に高度を上げ、最初のピークを超えて緩やかに登り返した先に目指した頂きが待つ。 白谷ノ丸(1920m)である。 湯の沢峠から一気に高度を上げる辛い上りを越え、山頂に立ち見える景色は見覚えのある山々、行く手の稜線を辿れば牛奥ノ雁ヶ腹摺山から大菩薩嶺へと流れて行き、右手にはまだ届かぬ雁ヶ腹摺山が間近に見える。振り返れば歩いて来た山並みが見通せ、その奥に鎮座する霊峰にはまた今日も息を呑む。いつまでも見ていたい景色がここにあり好きな山の一座に立てた事に安堵している。 至福の時、コーヒーを飲みながら景色を見入り、暫しの休息をとって下山に掛かる。湯ノ沢峠からの少し荒れた沢通しに下り、今日も春を探して歩くのだ。 ふりかえり 連なる尾根を辿るのは、これから向かう先まで望めて進むたび、まるで映画のシーンを見るように結末が近づきワクワクしていて、見回す景色に惑わされ疲れを忘れていたようだが、この山々も記憶に残る一座となった。 今日も安全で、おつかれ山〜
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