白髪山→平和丸　絶景を求めて

「ひやい！」 車のドアを開けたときの私の第一声である。今日は香美市物部の白髪山を経由し平和丸で折り返すというルート。駐車場に一番乗りして張り切って準備をし登山口へ向かった。「熊注意」の看板をあまりの寒さに震えながら写真を撮っていた友人がこっけいだった。登山道に入りすぐに笹と高さのある階段で私の体力は奪われていった。白髪山は楽と聞いていたが…。肥満体の私を差し置いて体の軽い友人はカモシカのように駆け上がる。私が追い付くのを待ってくれているが追い付いた瞬間再び登り始める友人。悪気がないのは分かっているが気付いてほしい。そんなこんなでようやく白髪山の頂に到着。絶景だ。空は快晴、飛行機から飛行機雲が出ては消えている。目線と同じ高さを雲が流れたくさんの山々が連なる景色に息を飲んだ。記念撮影をして折り返し地点の平和丸を目指す。白髪山を少し下る最中に私が足元に気を取られていると「ｽﾞｽﾞｯ」という音がしたので顔を上げると友人が滑って尻餅を着いているではないか。何をやっているんだか。と思っていると足元ばかり見ていた私は木に頭をぶつけてしまい一瞬目の前が真っ白になり稲妻が走った。あまりの衝撃で首をやられてしまった。低いんだよ。休憩小屋で休憩しているとトレランの青年2人が走ってきた。コースと距離を聞くと剣山と三嶺がどうとかで30kmと言っていた。私には歩くことも出来ない距離にただただ驚いた。それだけ走れればさぞかし気持ちが良いことだろう。そんなことを話ながら平和丸に到着。風がやや強いが凹地に行くと無風でポッカポカ。いつもラーメンやカレーメシなので今日はおにぎりにした。サケと梅のおにぎりに唐揚げ、玉子焼、ウインナーの付け合わせ。うまい。食べ終えしばらくくつろいで出発。今来た道をもう一度…。ゾッとした。しかし下りの多い帰りは比較的楽。休憩小屋を過ぎ白髪山まで戻ってきた。今歩いてきた尾根を眺める。こんなに歩いたのかぁと達成感が湧く。さてあとは下りの階段のみだ。しかし高さのある階段はこたえた。スピードが上がらない上にズンズンッと膝にくる。登山口まであと15mで友人が「ヘリコプターが飛んでるね」と言う。確かにそんな音は聞こえるが上空には見当たらない。やっと登山口まで下りるとエンジンを駆けたバイクのおじさんが写真を撮っていた。何がヘリコプターだ。カブじゃないか。そんな冗談盛り沢山で白髪山を楽しんだ。とりあえず5kg痩せることを決心した山行だった。