活動データ
タイム
09:54
距離
10.0km
のぼり
1152m
くだり
1151m
活動詳細
すべて見る天候 薄曇り 気温 プラス気温、山頂付近は寒い。 稜線、山頂、やや風あり、それ以外は無風。 雪質 ザラメ混じり。ズボリングしやすい。 今日の山行、ヒクタ峰まわりで反時計まわりで定天を巡る周回縦走をしてみた。 体力的にみて、約7時間の行程予定で出発する。 滑沢1号林道ゲートから、スタート。 ヒクタ峰への尾根に取り付き、いきなり、やや急登を登る… ある程度登れば、やがてだだっ広い緩斜面の尾根となる。 昔はありえないピンテの数の多さに驚く。 迷うことがないくらいのピンテに誘導されるように登り、尾根筋が明確になり始めると、張り出しが薄い雪庇の尾根歩きとなる。 割と安定した雪庇だ。 時々クラックも見られた。 全てではないが、残雪期特有の全層雪崩の兆しでもある。 左手方向に、定天が見え隠れしながら、登る… やがて、波打つ雪庇となり、ほどなく滑沢山の真新しい山頂標識があるピークに着く。 滑沢山、以前は標識など無かった山だ。 次に向かうヒクタ峰は、実に十数年ぶりの登頂となる。 十数年前の記憶が薄れているが、唯一、波がうねるように連なる雪庇の奥のピークは何となく記憶がある。 そのピークに着くと滑沢山と同様、真新しい青い山頂標識が設置されていた。 ちょっと珍しい標識で、標識の裏側に短歌が記されている。 STSTの方たちがボランティアで付け替えたようで、実に素晴らしい標識だ。 有り難く写真を撮らせていただいた。 さて、次なる目標の山、定天Ⅱ峰Ⅲ峰を目指す… 山頂直下の雪庇の切れ目から下り、遥か先の定天へ… Ⅲ峰とヒクタ峰の尾根筋最低コル付近灌木が多い場所からの歩きは予想以上に時間をロス… この時季特有のズボリング祭りだ。 この日の雪質なのか、腰まで埋まることもあり、かなり苦戦を強いられた… スノーシューごと埋まるので、その度にスコップで足元まで掘り返し、抜け出す… その繰り返しで次第に体力もロス… 慎重に歩き過ぎて、時間が益々ロスしていく… 結果、のちの下山時間が尾を引くことになるとは… さて、この稜線唯一、コルからⅢ峰への登りは、この尾根筋では一番の急登… 登りやすいルーファイが試されることになる。 登りきると、あとはⅢ峰までの緩やかな登りだ。 まもなくⅢ峰ロックオン… 味のある古めの標識は、時の流れを感じさせてくれる。 だだっ広いⅢ峰から、次に目指すはⅡ峰… なかなかの激下りで、 II峰とのコルまで、スノーシューのまま一気に下る。 ここのコル、 II峰に向かって右側を下りトラバースすれば、本峰への熊の沢夏道と合流できる唯一の場所だ。 雪の無い、秋の藪漕ぎでも、唯一 II峰、Ⅲ峰へのルートとして利用される事がある。 あくまでも、藪山好きならではのルートだ。 コルからの登り、いよいよこの日最大の難所である急勾配の雪壁が目の前に立ちはだかっている… 見た目、ほぼ崖そのもの。 高さ的にも恐怖感はあるが、雪崩だけは避けたい。 つい先日、ヤマッパーの方がここで50mほど滑落したという。 心配された大きなケガは、無かったようです… 雪質によっては、かなり難易度が増す。 この日は、雪面に乗った新しい雪は、大量のデブリとなって落ちていたので、下地の雪は、剥がれず安定していて、表層雪崩は無いと判断… スノーシューでは、当然無理なので、万が一に備え、保険として、いつでも使えるように沢登りで使用している30mザイルを肩からぶら下げ、足回りは12本爪アイゼン装着して、ピッケル片手に自分なりに登りやすいルートを三点確保でしっかり足場をかためて、慎重に且つ確実に登りきる。 尚、今日現在、この雪壁にクラックの発生は無し… 全層雪崩は時間の問題か… 雪質にもよるが、ルーファイ次第では危険度は変わってくる。 この日、ザラメ質の雪だが、しっかり前爪を刺して足場をかためれば、問題無く登れる。 この日一番の核心部なので、間違っても滑落事故だけは絶対避けなければならない。 救助される術が無いのだから… 登りきれば、あとはなだらかな起伏のある、だだっ広い雪原を本峰方向に向かって歩くのだが、難所の雪壁を登りきったあとの緊張感が抜けて、どっと疲れが出たのか、歩みが遅い自分に驚く。 気を取り直して、いよいよ II峰ロックオン… 山頂標識は無いようだ。 木にピンテを巻いてあるだけの簡素な II峰山頂… この II峰から見る、定天本峰の迫力は、凄い。 夏場は夏道からも、イワナ沢からもよく登ってきた山だが、この II峰から見るような山容は、ここからしか見られないので、とても貴重な瞬間だ。 さて、時間もロスしているので、写真を何枚も撮り、すぐに下山開始する… あの難所の核心部のクライムダウン、ピッケルをしっかり雪面に食い込ませ、三点確保で慎重且つ確実に下りて、無事にコルに辿り着く… そして、Ⅲ峰への激登りを登り返す… あとは、やや難所の大岩を巻いて無事、下山する尾根に着く。 あとは一気に下るだけ。 普通は、沢まで下り、スノーブリッジを渡り、林道を歩いていくのだが、ここ数日の暖気でスノーブリッジも崩壊している可能性があり、増水で渡渉が困難ということも視野にあり、沢を渡らずに済む、派生尾根を辿って下りることにした。 そこまでは良かったのだが、この尾根で、またもやズボリング祭りが開催されてしまった… ズボってケガをしては、下山できなくなるので、かなり慎重にルーファイしながら下ったため、益々時間がロス… 振り返れば、ヒクタ峰方向の空は、茜色に染まり、日中、ずっと薄曇りだったのだが、この時間にして、空は晴れ、夕焼けになっていた。 無事に林道に降りた時には、あたり一面夕闇に… 東の空には月がぼんやりと見えていた… そして、予定より3時間以上のタイムオーバーで無事に帰還した… 実に久しぶりに約10時間の山旅をしてしまった… もうしばらく、ズボリング祭りは開催したくないと思いながら、帰路の車中で、何故か渡辺真知子の曲「迷い道」を聴きながら、彷徨って歩き続けた今日の山旅を思い返して、反省していた… 終わり… スライドした人無し… この日、平日でもあるせいか、誰一人登られている形跡も無し… 自分含めての反省点… これからの時期、ズボることが多くなるので、時間と体力に余裕を持って歩きたいですね。 ソロの方、ケガだけは、気をつけましょう。 救助される術が無いのだから… そして、ヒグマもお目覚めの時期、出会い頭は避けたいですね… 長文、お付き合いありがとうございます。 おしまい…
活動の装備
- カンプ(CAMP)ヘルメット
- ブラックダイヤモンド(Black Diamond)トレイル
- モンベル(mont-bell)GORE-TEX ライトスパッツ ロング
- シルバ(SILVA)レンジャーコンパス
- ファイントラック(finetrack)ストームゴージュアルパインパンツレギュラー丈
- エムエスアール(MSR)エヴォアッセント
- グリベル(GRIVEL)エアーテック・ニューマチック
- その他(Other)イワタニ ジュニアコンパクトバーナー CB-JCB
- サーモス(THERMOS)山専用ステンレスボトル FFX-500
- ミレー(MILLET)ドライナミック メッシュ NS クルー
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